研究課題
基盤研究(B)
細胞における酸化が種々の疾病(アルツハイマー、パーキンソン、老化、放射線障害等)でその病因をなし、ミトコンドリアにおける障害と関連するものであることが解明されつつある。しかしながら、その酸化細胞障害機序の詳細は未だ解明されていない。本研究では、酸化による細胞障害が"酸化ストレス負荷後、ミトコンドリアが障害を受けるとともに、何らかの核由来タンパク質がミトコンドリアに輸送され、ミトコンドリアに作用し、活性酸素発生を増大させ細胞障害にいたる"と仮説をたて、研究を行い以下の結果が得られた。ミトコンドリアMnSOD遺伝子発現増大、及び、放射線照射による各種ミトコンドリアDNA障害について、線量依存性の有無を調べた。その結果、0.5Gyの照射で明らかなミトコンドリアDNA deletionが認められる結果が得られた。ミトコンドリアDNA欠損細胞における核DNA関連遺伝子は2236遺伝子中402の遺伝子が変化し、18.0%の遺伝子が変化する結果も得られ何らかの細胞核因子が関連する結果が得られた。次に、アポトーシス等に関与するp53遺伝子GFPベクターを用い、X線15Gy照射後の細胞内局在動態を調べた結果では、照射直後から細胞核への集積が見られ、さらに、照射2時間後では、細胞核以外に細胞核周辺ミトコンドリア部への僅かな移動が観察された。しかし、p53遺伝子及び、hsp70のRNAiを細胞にトランスフェクトし、p53及びHSP70タンパク質を抑制させた時のミトコンドリア由来活性酸素の発生は、ベクター単独(コントロール)群と比較し変化を示さず、MnSOD遺伝子のRNAiをトランスフェクトした結果では、反対に増加して観察された。また、アポトーシスを調べた実験結果でも同様な結果が得られ、これにより、p53及びHSP70はミトコンドリア由来活性酸素の発生、及びアポトーシスには関連しない結果が得られた。
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