研究課題/領域番号 |
16390544
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
MATIN Khairul 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, COE拠点形成特任教員 (00372433)
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研究分担者 |
田上 順次 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50171567)
花田 信弘 国立保健医療科学院, 口腔保健部, 部長 (70180916)
北迫 勇一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (30361702)
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キーワード | 人工口腔装置 / 人工バイオフィルム / 二次う蝕 / グルカン / アルカリイオン水 / オゾン / 二次元電気泳動 / Mass Spectrometry |
研究概要 |
開発に成功したPCソフトウエア導入人工口腔装置(AMS)により、口腔内に類似した環境内での人工バイオフィルムを形成し、初期う蝕、二次う蝕等を想定した様々なう蝕に関し、多角的に研究を行っている。19年度はまず二次う蝕発生メカニズムに焦点を置き、研究を行った。牛歯前歯に形成した窩洞内に、直接コンポジットレジンを充填した試料をAMS内に固定し、S. mutans, S. sobrinus及びS. gordonii等の複数う蝕原因菌を用いて人工バイオフィルムを形成した。その際に歯科用接着材料の有無及び、バイオフィルム形成後の保存状態(固定液浸漬群及びHeart Influsion(HI)インキュベート(2週間37度)群)により4群とした。その後SEM及び蛍光顕微鏡観察行い、その結果、各群ともこ脱灰の進行が認められた。特に接着材料未処理+HI浸漬群において脱灰深度は著明であり、人工二次う蝕モデル確立に成功した。 次に、細菌学的アプローチによる新しい治療法の検討に関しても研究を行った。現在の市販含嗽剤は殺菌を目的としたものが主流である。そこでバイオフィルム主要構成要素であるグルカンに焦点を置き、口腔常在菌叢を破壊しないグルカン溶解システムを検討した。その結果、口腔内使用可能なアルカリイオン水の適用がグルカン溶解に有効である事がわかった。さらに上記二次う蝕モデルに対し、その予防に関して、検討を行っている。また、従来からの切削によるう蝕治療ではなく、新しい治療法として期待される殺菌性に優れたオゾンに注目し、研究を行った。菌体量及びCFUにて、その殺菌性を確認し、二次元電気泳動及びProtein Mass Spectrometry(MALDI-ToF MS)により、オゾンのS. mutansにおけるmulti functional proteinであるGAPDH等に対する影響が明らかとなった。今後さらなる検討を計画している。
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