研究課題/領域番号 |
16390546
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 美加子 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40271027)
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研究分担者 |
竹重 文雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60206969)
岩見 行晃 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90303982)
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キーワード | 根管処置歯 / 歯根破折 / 疲労破壊 / フラクトグラフィー / 支台築造 / ファイバーポスト / レジンコア / 接着性レジンセメント |
研究概要 |
本年度は、前年度に実施した静的破壊試験の結果を基に、in vitroにおいて支台築造を行った根管処置歯の疲労破壊強度を評価した。また、歯根破折歯の破面情報解析を行って、歯根破折の発生メカニズムを分析した。 まず、ヒト抜去小臼歯の歯冠を除去し、根管充填を行った後、疲労破壊試験に供した。支台築造は、既製金属ポストとコンポジットレジンコア、あるいはグラスファイバーポストとレジンコアのいずれかを用いて行い、全部被覆冠の歯冠形成を行った歯をコントロールとした。37℃循環水中にて2Hzの正弦波の繰返圧縮負荷を、垂直と斜めのいずれかの方向から加えた。その際、最大負荷は静的破壊試験で得られた破壊荷重の40-95%に、また最小負荷は5kgfに設定し、最大負荷回数は200万回とした。疲労破壊をきたす負荷荷重と負荷回数の解析より、垂直方向の荷重に対しては、ファイバーポストによる築造歯と歯冠形成歯は既製金属ポストによる築造と比較して優れた疲労破壊抵抗を示した。また、斜方向の負荷に対しては、ファイバーポストによる築造歯は、歯冠形成歯および既製金属ポストによる築造と比較して優れていた。これらの破壊抵抗の順位は、静的破壊試験の結果と同じ傾向を示した。また疲労限界は、いずれのポスト修復も、垂直方向の負荷に対しては静的破壊荷重の約75%を、また斜方向の負荷に対しては約45%を示した。 歯根破折面を走査電子顕微鏡にてフラクトグラフィー解析した結果、いずれのポスト修復においても、根管付近の歯頚部には象牙細管の走行が明瞭な疲労破壊領域が限局的に存在し、それを取囲むように歯根表面に向かって象牙細管の走行が不明瞭になる急速破壊領域が観察された。ファイバーポストによる築造歯で認められた疲労破壊領域は、既製金属ポストによる築造の疲労破壊領域より広範囲に分布する傾向にあり、この応力分布のちがいが、疲労破壊抵抗に影響を及ぼしたものと考えられる。
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