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2004 年度 実績報告書

天然活性素材キトサンを活用したジーンデリバリーシステムによる象牙質再生療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16390547
研究種目

基盤研究(B)

研究機関長崎大学

研究代表者

林 善彦  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20150477)

研究分担者 柳口 嘉治郎  長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50264255)
大原 直子  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80301365)
キーワードキトサン / 細胞賦活作用 / シグナル伝達 / ジーンデリバリーシステム / 象牙質再生
研究概要

教室のこれまでの研究成果から、キトサンモノマーを培養液へ添加すると骨芽細胞の増殖とアルカリフォスファターゼ活性の上昇が誘導され、生物学的初期石灰化の促進する可能性を報告している。今回は、約4,000もの遺伝子を搭載したcDNAマイクロアレイを用いて、キトサンモノマーによる培養骨芽細胞の機能亢進に関与している遺伝子の検索を行った。解析の結果、実際にキトサンモノマーの添加によって培養3日目のmRNA発現の増強程度が、無添加群と比べ発現比として2.0以上の遺伝子を選別した。それらの中でも、特に細胞の増殖と分化に関連する遺伝子に関しては、リアルタイム-PCR法を用いて、定量的に確認を行った。
cDNAマイクロアレイ解析で発現比2.0以上の遺伝子は、主にJAK/STAT経路やMAPKカスケードに関連する遺伝子であった。そのほか、DNAの修復や細胞の分化およびmRNAの代謝過程と関連する遺伝子にも発現の増強を認めた。リアルタイム-PCR法では、MAPKカスケード中のMAPKK3と細胞分裂S期に多く発現するとされているphosphate cytidylyltransferase2の顕著な増強を確認した。また、今回のcDNAマイクロアレイの搭載遺伝子には含まれてはいなかったが、アルカリフォスファターゼの発現も検討したところ、発現比が4.08とキトサンモノマー群で強い増強を認め、これまでの教室のデータを裏付けるものであった。
以上のような平成16年度の所見から、キトサンモノマーも極低濃度において、細胞増殖・分化と関連する遺伝子群へ影響を及ぼすことによって、骨芽細胞による生物学的初期石灰化を促進する可能性があることが示唆された。なお、本研究は、キトサンモノマーによる細胞内シグナル伝達系への影響をはじめて遺伝子レベルで証明したものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Early gene expression analyzed by cDNA microarray and RT-PCR in osteoblasts cultured with water-soluble and low molecular chitooligosaccharide2004

    • 著者名/発表者名
      N.Ohara, Y.Hayashi, S.Yamada, S-K.Kim, T.Matsunaga, K.Yanagoguchi, T.Ikeda
    • 雑誌名

      Biomaterials 25・10

      ページ: 1749-1754

  • [産業財産権] キトサンオリゴ糖含有抗菌薬、齲蝕原性細菌の発育を抑制刷る方法2004

    • 発明者名
      林 善彦
    • 権利者名
      長崎大学
    • 産業財産権番号
      特願12004-169914
    • 出願年月日
      2004-06-08

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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