研究分担者 |
永留 初實 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (30284516)
根津 尚史 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40264056)
本田 雅規 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70361623)
蛯原 善則 (株)ジーシー, Cプロ, 主任研究員
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研究概要 |
エナメル芽細胞を含む歯胚上皮細胞の無血清培地を用いた継代には限界があり,細胞は培養途中で死滅してしまう。そこで我々は、3T3-J2細胞をfeeder layerとして用いることにより、歯胚上皮細胞の培養を試みた。その結果、このシステムで10継代まで培養が可能となった。また、各継代での培養細胞の形態的変化は認められなかった。1〜10継代した歯胚上皮細胞の増殖能に変化はなかった。各継代の歯胚上皮細胞は、歯胚に存在するエナメル芽細胞と同じエナメルマトリックス蛋白質をコードするmRNAを発現していることが分かった。これらの継代した細胞はエナメル芽細胞と同様な表現型を有することがわかった。つまり、この手法を利用することにより、エナメル芽細胞から分泌されるエナメルマトリックス蛋白質の解析や組織工学の研究に寄与できると考えられる。一方、再生の足場としてこれまで,ポリグリコール酸やポリ乳酸が広く用いられてきた.しかし,歯の再生に関して最適の足場が何かはわかっておらず、その材料と条件をハイドロキシアパタイトとアメロジェニンで模索した。エナメル質の形成に影響を及ぼすと考えられているアメロジェニンがハイドロキシアパタイトの表面に単層で吸着し,分子間で影響を及ぼし合わないということがわかった.これにより,エナメル質再生の足場となる材料(アパタイトやβ-TCPなど)にアメロジェニンを添加することで,より効果的に再生できるのではないかと考えられる.
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