研究課題/領域番号 |
16390561
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
石橋 寛二 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (90018771)
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研究分担者 |
藤澤 政紀 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00209040)
金村 清孝 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (50343439)
豊田 計時 一関工業高等専門学校, 教授 (40310974)
郷土 恵久 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (50405859)
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キーワード | 顎関節症 / クレンチング / ブラキシズム / 咀嚼筋痛 / 筋電図 / ストレス / バイオフィードバック / 自然環境下 |
研究概要 |
日中に行われる無意識下でのクレンチングは咀嚼筋痛を惹起する口腔悪習癖である。 夜間のブラキシズムに比較し、日中のクレンチングの筋電図的解析はほとんど行われていない。この点に着目し、当教室では日中の日常生活環境下で使用可能な装置の開発および筋電図解析方法の検討を行ってきた。 平成17年度はクレンチング習癖者と健常者を対象とし両群被験者の口中の日常生活環境下における5時間連続した筋電図計測を行い、両群間で比較検討を行った。被験者は咀嚼筋の疲労や疼痛を訴え、クレンチングの自覚のあるクレンチング習癖者群13名(男性6名、女性7名、平均年齢27.5±3.8歳)と、健常群12名(男性6名、女性6名、平均年齢28.6±7.1歳)とした。筋電図計測には平成14年度に報告した装置を用いた。筋電図の分析方法としては最大かみしめ量の10%を越えて出現した筋活動をイベントとし、その筋活動持続時間を算出することから日中のクレンチングの出現状況を評価した。 その結果,5時間中にクレンチングを行った時間はクレンチング習癖者で500.3±607.5s、健常群で35.1±34.2sで両群間に有意差を認めた(p<0.05,Mann-Whitney's U-test)。イベント数についてみた場合クレンチングと推測されるイベントはクレンチング習癖者群で192.8±228.8回、健常群で25.1±25.4回となり両群間に有意差が認められた(p<0.05,Mann-Whitney's U-test)。 また無線を使用することから、さらなる装置の小型化も検討している。平成17年度は差動信号(アナログ)のFM伝送実験を行い、現送信回路において十分な伝送帯域が確保できることをシンセサイザー方式の受信機で確認した。ただし、この受信機は小型化を考慮していない民生品のため、次に専用ICを用いた受信機の小型化を検討した。実験の結果、小型化は実現できるものの受信精度・安定度ともにシンセサイザー方式に劣り、実用化には不適当であることが判明した。 現在、これらの諸問題を解決するため、コイン(10円)サイズ(厚み3.3mm)の微弱無線モジュール(プロコム社)の使用を検討中である。このモジュールは送信回路・受信回路・水晶発振回路・変調回路・電源回路のすべての回路を内蔵しているもので、同調操作は不要であり、TYPE A(受信周波数315.120MHz送信周波数315.040MHz)、TYPE B(受信周波数315.040MHz送信周波数315.120MHz)の2種類をたすきがけで用いるものである。これらのモジュールをそれぞれ送信・受信専用(送信側ではTYPE A、受信側ではTYPE B)で用いることにより、送信側はもとより懸案であった受信側の小型化にも貢献するものと考えられる。
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