研究課題/領域番号 |
16390571
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
河合 達志 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60167351)
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研究分担者 |
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (30175591)
吉成 伸夫 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20231699)
鶴田 昌三 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (40183488)
林 達秀 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70367621)
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キーワード | BMP / 骨形成因子 / ポリサッカライド / 生体材料 / 機能性材料 / 移植 |
研究概要 |
平成17年度は以下の4項目を実験した。 (1)多孔質チタン-培養軟骨複合実験 (2)BMPの大量作製の継続 (3)開発複合材料の生体内移植実験 (4)誘導骨の評価 多孔質チタン上に培養軟骨播種し、再移植を行ない移植4週間後の新生骨誘導を調べた。しかしながら、新生骨の誘導は認められず陰性成績であった。一方、同じ多孔質チタン材料に対して骨形成因子を複合化した場合には移植全例において新生骨誘導が認められた。そこで、培養細胞のチタン上における骨誘導関連遺伝子マーカの動態を調べ、その原因をスクリーニングすることにした。その結果いずれの遺伝子マーカーもコントロールと統計学的有意差は認められず、接着分子が上昇した後、各骨誘導関連マーカーが上昇しており良好な骨形成の方向に進んでいることが示唆された。また、チタニア上で培養した株化細胞の場合、増殖能が増加する事が関連実験で確認された。このような一連の結果から今回のin vivoにおける新生骨誘導が困難であった理由は、チタンの材料的な性質のため軟骨、新生骨誘導が行なわれなかったのではなく、移植そのものに起因する事が大きいと推定された。この問題の解決のため、軟骨を誘導する細胞のオリジンを、過去の実験で良好な成績が報告されているbovineなど異種の動物由来の細胞、あるいは骨髄細胞に変更し、現在も実験続行中である。多孔質チタンのみで良好な結果が得られない場合をさらに想定して、表面処理用のポリエチルメタクリレートレジン-ポリ乳酸複合体もすでに開発しており、この系との複合化の実験も今後の展開のために実験中である。このように当初予定した目標達成までに新生骨誘導のみが残されているが、これまでに得られた基礎実験結果ならびに複合用各種材料は骨誘導関連の実験ならびに臨床応用に寄与するものと考えている。
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