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2004 年度 実績報告書

アドレノメデュリン阻害因子を用いる口腔がん治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16390575
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

進藤 正信  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)

研究分担者 小林 正伸  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (80241321)
東野 史裕  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
大廣 洋一  北海道大学, 病院・助手 (40301915)
小野 貢伸  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50281829)
戸塚 靖則  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
キーワード口腔扁平上皮がん / Adrenomedullin / リンパ節転移
研究概要

Adrenomedullin(AM)は血管拡張作用を有する血管作動性ペプチドとしてヒト褐色細胞腫組織から発見され、AMは血管系以外にも肺,中枢神経系,腎臓など様々な臓器で発現し、種々の働きを持つことが知られている。一般的に低酸素状態に曝された細胞は細胞死が誘導されるが、がん組織は増殖活性が高く低酸素状態に曝されているにも関わらず、細胞死の抑制がみられる。その原因の一つに低酸素誘導性因子HIF-1の関与が報告されている。このHIF-1により誘導される遺伝子の一つにAMがあることがDNAマイクロアレイによる検索で明らかになった(Kobayashi, Shindoh. unpublished data)。舌扁平上皮癌におけるAMの発現がその予後因子に及ぼす影響を明らかにすることを目的に、臨床標本を対象とした免疫染色を行い、AMの発現と臨床的・病理組織学的所見として重要な腫瘍の転移活性との関係、およびそれに伴う血管拡張との相関について検討した。舌扁平上皮がん28例を対象に腫瘍細胞のAMの発現を免疫組織学的に検索したところ、AMは28例中14例(50%)に発現が認められ、口腔扁平上皮がんでは高頻度に発現していた。AMを発現している舌扁平上皮がんはリンパ節転移の頻度が多い傾向が認められ、遠隔臓器転移をきたした3例全てがAM陽性症例だった。AM陽性症例では周囲間質の血管拡張が認められ、これによってがん細胞が容易に血管・リンパ管内に浸潤することによって転移活性が増大したものと考えられた。ヌードマウスに膵癌由来細胞を移植し、腫瘍周囲筋層にAM-dominant negative発現ベクターを遺伝子導入したところ、膵癌細胞の顕著な増殖抑制効果がみられた。このような結果は、口腔がん細胞への遺伝子治療の有効性を示唆するものであった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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