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2004 年度 実績報告書

下顎複合組織体同種他家移植モデルを用いた歯牙萌出を誘導する全身因子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16390588
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

小原 浩  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00335366)

研究分担者 古郷 幹彦  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20205371)
相川 友直  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00362674)
キーワード他家移植 / 歯牙萌出 / 下顎骨 / 免疫抑制剤 / イヌ / 加齢 / 下顎
研究概要

乳歯でも永久歯でも、各々の歯牙が萌出する順位および年齢はほぼ正確に決定されているが、歯牙が年齢に応じて萌出してくるメカニズムは未だ明確ではない。我々は今までに、歯胚を含む幼犬の下顎組織複合体を各種月齢のイヌに移植することによって、レシピエントの月齢がどのように歯牙萌出速度に影響するかを検討しており、以下の結果が得られている。(1)歯牙萌出はレシピエントの月齢とともに遅延する。(2)歯槽骨からの萌出に関してはレシピエントの月齢は影響せず、歯根の完成も正常時期に認められるが、歯肉からの萌出に関してはレシピエントの月齢は影響する。(3)レシピエントの月齢の違いによる歯牙萌出遅延は歯肉の由来に関係なく生じ、局所的な因子よりも全身因子が大きく関与していることが考えられる。
そこで今回は、遅延する歯牙萌出のメカニズムを免疫組織学的に検討した。実験にはビーグル犬を用いた。ドナーは未萌出永久歯胚を含めた幼犬の顎骨とし、レシピエントを幼犬または成犬として、下顎複合組織体同種他家移植を行った。術後1〜1.5ヶ月の萌出直前の状態の時期に歯冠上部歯肉を切除し、以下の組織染色を行って比較検討し、レシピエントが幼犬の場合は未萌出永久歯胚の萌出が認められるのに対し、レシピエントが成犬の場合は萌出が阻害されるという現象について、組織学的に検討した。
(ア)エラスチカ・ウンギーソン染色:成犬の歯肉ではコラーゲン線維の硝子化が認められた。
(イ)抗コラーゲンの免疫染色:コラーゲンtype IおよびIIIのいずれでも幼犬・成犬で染色性に違いは、認められなかった。
(ウ)PCNA:幼犬では上皮細胞で増殖が認められたが、成犬では上皮細胞および線維芽細胞の両者で増殖が認められた。
(エ)TUNEL法:幼犬・成犬で染色性に違いは認められなかった。
以上の結果より歯胚の萌出が阻害される成犬では、歯冠上部歯肉にコラーゲン線維の硝子化が認められ、線維芽細胞の増殖が認められることに幼犬との違いがあることが明らかとなった。またコラーゲンの種類に違いはなく、アポトーシスの認められる割合も違いが明らかではなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Influence of Aging on Tooth Eruption : Experimental Canine Mandibular Allograft2004

    • 著者名/発表者名
      E Tanaka, M Hamaguchi, Y Eguchi, T Aikawa, M Kogo, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Oral and Maxillofacial Surgery Vol.62, No.3

      ページ: 353-360

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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