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2004 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の発癌へのヒトパピローマウイルスの関与について

研究課題

研究課題/領域番号 16390590
研究種目

基盤研究(B)

研究機関広島大学

研究代表者

杉山 勝  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70187681)

研究分担者 宮内 美和  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10325201)
東川 晃一郎  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80363084)
キーワード口腔扁平上皮癌 / ヒトパピローマウイルス / 5年生存率 / 統計解析
研究概要

目的:口腔扁平上皮癌(OSCC)におけるヒトパピローマウイルス16型(HPV-16)の存在とOSCC患者の予後との相関について検討すること。
対象:1992年から1999年にかけて我々が治療した日本人口腔扁平上皮癌患者66例
方法:HPV-16 DNAのhigh copy numberのみを検出し得るE7領域のプライマーを用いて,PCR法でDNAを増幅した後に,HPV-16 DNAの有無を電気泳動法で検出した。その後,HPV-16 E7DNAの存在と,臨床病理的因子(肉眼所見,部位,大きさ,転移の有無,分化度,浸潤様式,5年生存率)や患者の背景因子(年齢,性,飲酒,喫煙)との相関について統計学的に解析した。
結果:HPV-16 DNAは66例中24例(36%)で検出された。単変量解析では,HPV陽性腫瘍は外向性増殖とリンパ節転移の傾向を示した。極端に予後の悪い浸潤様式4はHPV陽性腫瘍で4.2%,陰性腫瘍で19%であった。ロジスティック回帰分析では,HPV陽性腫瘍は外向性増殖との相関を示した。
単変量解析では,大きな腫瘍と転移例は5年生存率が低かった。HPV陽性腫瘍は陰性腫瘍よりも良好な予後を示したが,有意差はなかった。多変量解析では,リンパ節転移とHPV陽性腫瘍が5年生存率との相関を示した。
HPV陽性患者の生存曲線は陰性患者のそれよりも緩い下降を示したが,統計学的有意差はなかった。しかし,HPV陽性,リンパ節非転移例の5年生存率は94%と著しく高く,HPV陰性,リンパ節転移例の5年生存率は25%と著しく低いことから,リンパ節転移の有無と同様に腫瘍中のHPV-16 DNAの存在有無が予後と関連していると推察された。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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