研究概要 |
Swab sampleから抽出したDNAを元に,Gravittら(J Clin Microbiol 38:357-61,2000)の方法に準じPGMY09/PGMY11L1プライマープールを用いて,HPVのL1領域をPCR法で増幅した後に,電気泳導法で検出した。陽性サンプルについては,続いてhigh-risk typeのHPV-16,18,33型の感染の有無について,E6領域を標的にPCR法で検索した。その結果,日本人では,陽性サンプルの殆どがHPV-16型感染例であり,18型感染例は少数であり,33型は検出されなかった。 前述のサンプルについて,核酸増幅リアルタイムモニタリング装置を用いて定量的PCRを行ったところ,swab sample lμgあたりのHPV-16E6領域のコピー数は,腫瘍中心部で30.8x10^<-5>,腫瘍辺縁部で73.6x10^<-5>,組織学的主常部では4.1×10^<-5>であった。また,再発例の腫瘍中心部では148x10^<-5>,腫瘍辺縁部で242x10^<-5>,組織学的正常部では8.5x10^<-5>であった。 また,今回検索した例の転移巣では,HPVは検出されなかった。 以上の結果から,(1)腫瘍の増殖活性が高い部位(辺縁部)で,HPV-16DNAコピー数が多い(感染の程度が強い)こと,(2)腫瘍の再発にHPVが関与する可能性があること,(3)HPVDNAが宿主のDNAにintegrateされていないことが示唆された。
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