研究課題/領域番号 |
16390610
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅谷 勉 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (10211301)
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研究分担者 |
土門 卓文 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (50217618)
宮治 裕史 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助手 (50372256)
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キーワード | 歯周組織再生 / BMP-2 / コラーゲン / 根面処理 / スキャホールド / 硬組織形成 / 歯根吸収 / カップリング |
研究概要 |
ラット切歯から作製した象牙質片を、24%EDTAに3分間浸漬後、洗浄乾燥して、0、100、400μg/mlのrhBMP-2に10分間浸漬、ラット口蓋粘膜下に移植した。実験群は移植開始2週前からビスフォスフォネートを投与して破骨細胞の機能を抑制した。移植後2、4、8週で脱灰薄切標本を作製して象牙質片上に形成された硬組織の形成率と、象牙質の吸収率を計測した。その結果、硬組織形成率と象牙質吸収率はビスフォスフォネートを投与した実験群がPBSを投与した対照群に比較して有意に低く、象牙質面への硬組織形成には破骨細胞と骨芽細胞のカップリングが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 さらにビーグル犬のP1〜P3頬側根面に裂開状の歯周組織欠損を作製し、24%EDTAで3分間脱灰した根面に1000μg/mlのrhBMP-2を塗布するとともに、アテロコラーゲンゲルで根面を被覆した。4、8週後に組織計測を行った結果、何も塗布しない対照群やrhBMP-2のみを塗布した場合およびコラーゲンゲルの移植のみを行った場合に比較して、セメント質や歯槽骨の再生量が増加した。本結果から、根面へのrhBMP-2塗布にコラーゲンゲルを移植することは、ゲルが歯肉のバリヤーとなり、さらに歯根膜や歯槽骨由来細胞の増殖を促進するスキャホールドと機能した上に、rhBMP-2の拡散を防止し局所濃度を維持するのに役立っていたと考えられた。 現在、ビーグル犬のP2およびP4の隣接面に1壁性骨欠損を作製して、実験群はEDTAで根面を脱灰してBMP-2を塗布、対照群は根面のEDTA脱灰のみを行って、1壁性骨欠損での歯周組織再生への有効性、および根吸収と骨性癒着に与える効果を検討している。
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