研究課題/領域番号 |
16390610
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅谷 勉 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10211301)
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研究分担者 |
土門 卓文 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50217618)
宮治 裕史 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50372256)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 歯周組織再生 / BMP-2 / コラーゲンハイドロゲル / 根面処理 / スキャホールド / 硬組織形成 / 歯根吸収 / カップリング |
研究概要 |
根面へのBMP付着に最も良い脱灰方法を明らかにするため、牛歯象牙質をEDTA、塩酸テトラサイクリン、クエン酸で3分間脱灰してrhBMP-2に10分間浸漬、歯根膜由来細胞を培養してALP活性等を測定した。その結果、EDTAが最も硬組織形成能を上昇させた。 同様に象牙質片をEDTA、塩酸テトラサイクリン、クエン酸で脱灰後、rhBMP-2に浸漬して、ラットロ蓋粘膜下に移植した。硬組織の形成率と、象牙質の吸収率を組織学的に計測した結果、硬組織形成率はEDTAが有意に高かった。また、EDTAで脱灰した象牙質をrhBMP-2に浸漬後ラットロ蓋粘膜下に移植し、ビスフォスフォネートを全身投与して硬組織の形成率と象牙質の吸収率を組織学的に計測した。その結果、硬組織形成率と象牙質吸収率はビスフォスフォネートで有意に抑制され、BMPによる硬組織形成には破骨細胞と骨芽細胞のカップリングが重要なことが明らかとなった。 次に、ビーグル犬に裂開状の歯周組織欠損を作製し、根面をEDTAで脱灰後にrhBMP-2を塗布、アテロコラーゲンゲルで根面を被覆した。その結果、セメント質や歯槽骨の再生量が有意に増加した。さらに、ビーグル犬に1壁性骨欠損を作製して、EDTAで根面を脱灰、rhBMP-2を塗布した結果、歯槽骨再生量とセメント質再生量は有意に高くなった。これらの実験から、根面へのrhBMP-2塗布とコラーゲンゲルの移植は、歯周組織再生療法としてきわめて効果が高いことが明らかになった。また、歯冠側部分では残存セメント質とは連続しないセメント質が観察され、歯肉結合由来組織によるセメント質形成が生じていたことから、これまでにない新たな再生メカニズムも展開していたと考えられた。以上の結果から、本法は歯周組織欠損の大きな歯に対しても有効な再生療法になる可能性が示され、臨床応用が期待された。
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