研究課題
基盤研究(B)
対象は、閉経後骨粗霧症患者109名(67.8±6.3歳)である。全身所見は、身長、体重、体格指数(BMI)、閉経年齢、喫煙歴を調査し、二重エネルギーX線吸収法により、腰椎正面骨密度(BMD)を測定した。口腔内所見は、現在歯数、全歯の地域歯周疾患指数(CPI)、オルソパントモから骨梁パターン解析と臼歯部の歯槽骨吸収率(ABL)、下顎骨の骨粗霧症化度および歯の健康づくり得点を評価した。さらに、ビスフオスフォネート系薬剤による骨粗霧症治療群33名と未治療群31名の1〜2年後の口腔内所見の変化を検討した。BMI21.4±2.6、閉経年数19.5±7.4年、喫煙者10名であった。また、BMDは、0.656±0.075g/cm2、若年成人平均値に対する比率64.9±7.4%、骨型アルカリフォスファターゼ25.3±9.9U/1、尿中NTX58.6±30.2nmolBCE/mmol・Crであった。一方、現在歯数20.2±8.1歯、歯周炎を示唆するCPI最大コード3、4の比率55.2±28.9%、ABL25.7±9.8%、下顎骨の骨粗霧症化を示唆するKlemetti分類2、3度97名(89.0%)、下顎骨骨梁のフラクタル次元1.589±0.034、歯の健康づくり得点14.3±4.3であった。骨粗霧症治療に伴い、未治療群のCPIコード4の比率が悪化(P<0.01)し、治療群のCPIコード3、4の比率は改善(P<0.01)、フラクタル次元は増加傾向を示した(P<0.10)。1年あたりに換算したCPIコード3、4の比率は、未治療群では変化はないが、治療群では改善を示した(1.5%:-9.4%、P<0.01)。閉経後骨粗霧症患者の下顎骨の骨粗髪化は進行し、広汎型慢性歯周炎に罹患していた。しかし、ビスフォスフォネート治療に伴い、歯周炎進行抑制の可能性が示唆された。
すべて 2007 2006
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