研究概要 |
軽度痴呆高齢者を対象とする場合,グループホーム入居者を対象として調査した。すなわち,調査の趣旨を理解頂いたグループホームに協力をお願いし調査した。グループホームでは,今年は3施設を調査した。それぞれのグループホームでは,グループホームの存在する地域性も考慮しなければならない。各種医療機関との距離,生活に必要な環境の設備(スーパーマーケット,コンビニなど)がどのくらい整備されているのか調査を加える。これらは,痴呆高齢者の生活環境に密接に関連している。重度痴呆高齢者の場合は,単科精神病院の痴呆病棟の入所者を対象とした。この施設は,継続的に調査している。 調査協力の得られた施設では,口腔内の調査としては,歯式の記録,咬合支持による分類(アイヒナー分類),口腔ADL,カンジダによる汚染の程度の調査などを行った。義歯装着者については,義歯の取り扱いを併せて調査した。さらに,本研究・調査では,痴呆患者のQOLについても調査もした。軽度痴呆高齢者の場合,QOLを調査することは,介護者にとっても非常に有意義なことと考えられる。生きがいを調査するにあたっては,QOLを評価する尺度のものを用いて評価することもできよう。一方,重度痴呆高齢者の場合には,治療効果の判定にも使用できうると考えられる。 痴呆の程度は,改定長谷川式簡易知能評価スケールまたはNMスケールを用いて検討した。さらに,全身的健康状態は,N式ADLを用いて評価した。これも,その場限りでは評価が不安定なので,日常介護している介護職員などに記載を依頼して評価した。 現在,今年度の調査データを整理しているところであり,さらに,継続的,経年的に次年度以降も調査を行う予定である。
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