研究課題
基盤研究(B)
経験型実習教育の教育的効果について実践的検証を試みた。対象事例を基礎・成人・精神看護実習とし、指導-学習場面の再構成・教師の関わりの振り返りなどから経験型実習教育の実践的課題と教育効果について明らかにした。基礎看護実習においては、初めての実習であり、経験型の実習に誘導する迄には、教師が直接的に教授する事項も多くある。しかし場面の特性に応じて経験型実習教育をすることによって、自身の興味や関心を手がかりに思考を働かせた学習に発展させることが可能であった。成人看護実習においては、事例検討をとおして、経験型実習教育に必要とされる教師の能力について(1)学生の学習への信頼、(2)学習的雰囲気を提供する力、(3)学生理解、(4)患者理解、(5)言語化能力、(6)状況把握能力、(7)臨床教育判断能力、(8)教育技法のうち、(2)(3)(4)以外は、教師は指導上の困難を感じていた。さらに学生の経験を尊重することと患者へのケアに対する配慮を同時に果たすための方略を検討することが課題となった。精神看護実習においては、実習前の授業であるロールプレイ演習-課題学習などへの臨床指導者の参加、ワークショップの開催など臨床と大学の連携を高めるようにしている。その結果として、実習目的実習方法だけでなく、経験型実習教育の指導の方向性や具体的方略について共通認識すること、自身の指導方法を振ることが可能となり、指導力が向上する機会となった。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
第37回 日本看護学会論文集(看護教育)
ページ: 96-98
Japanese science of nursing society memoirs