研究課題
今年度は、モデル学習グループに対して遺伝問題への気づきの促しを目的とした対話型のプログラムの実施と評価を行った。【プログラム参加協力者】大学生 6名【プログラの実施】プログラムは、健康な人が遺伝子解析を行う研究に参加する時に提示される説明文を題材に1.5日と2週間の間隔をおいて1日実施した。最初に説明場面をイメージできるようにロールプレイ後、配布した説明書から疑問点や理解困難な用語について討議、知識カードの提供、解説を行った。ファシリテーターとして研究者が関わり、随時疑問点に答えながら参加者の遺伝に関する理解を助け、研究に潜む倫理的課題に気づけるよう討議を方向付けながら進めた。【プログラム評価】遺伝的な問題は社会的リスクを基盤に遺伝特有の問題がもたらすリスクが絡み、個人レベルまで問題を掘り下げなければならないが、学習プログラムでそこまでを期待するのには2.5日のプログラムは短期過ぎる。短期であれば、既にわかっている知識(生物学的に遺伝問題は誰にでも起こること)や現象(当事者の気持ちや社会的差別など)についてはこちらから提示し、そこから一緒に考えてゆく方法論がよかったと思われる。また、遺伝的な問題についてグループで学習するときは、学習の進行とともに自己へのリフレクションにより他のメンバーに対し防衛機制が働くこ点を考慮する必要があることがわかった。前年度得られた結果を今年度ジャーナルに投稿し受理された。また今年度得られた結果については、国際遺伝看護学会に報告の予定である。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件)
日本遺伝看護学会誌 5(1)
ページ: 26