研究課題
基盤研究(B)
本研究は、一般の人びとが遺伝的な問題に出会ったときに、適切に援助を求めたり決定したりできるような知識や態度を身に付けるための学習支援プログラムを、開発して試行することを目的としている。最終年度となる本年度は、2006年度に実施した3日間の「学習支援プログラム」を分析して評価した。「学習支援プログラム」は、遺伝に関する研究依頼が行われる場面を想定し、そこで手渡される「がん関連遺伝子情報に基づく肺がん遺伝子診断法の開発研究-血液採取に関する説明書」を読み、それを議論や知識提供、ロールプレイなどを通して理解していくプロセスとして組み立てられた。このプログラムの評価は、1)学習支援プログラム自体の展開、2)プログラムを支援したファシリテート、3)ロールプレイ、4)オープニングセッションとクローズドセッションのディスカッション、5)プログラムの成果について、プロセスを分析することによって行った。また、分析結果を参加者に提示し、分析内容について意見を求め、学習プロセスの開示を了承してもらった。評価の結果、本プログラムを通して、参加者は上述した状況に応じるためのポイントを把握し、ロールプレイにおいてポイントを活かした応答を実践することができた。また、参加者各自が、自分自身の経験と医療に関わる遺伝の問題とをつなぎ合わせて、そこで生じうる問題に気づくことができた。このプログラムを洗練し、汎用性をもたせるための仕組みを作っていくことが今後の課題である。
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日本遺伝看護学会誌 5
ページ: 1-17
J. Jpn. Soc. Genet. Nurs 5(1)