研究課題/領域番号 |
16390637
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真田 弘美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50143920)
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研究分担者 |
須釜 淳子 金沢大学, 医学部, 助教授 (00203307)
紺家 千津子 金沢大学, 医学部, 助手 (20303282)
大桑 麻由美 金沢大学, 医学部, 助手 (30303291)
北川 敦子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80343185)
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キーワード | 褥瘡 / アセスメント / 転帰 / 予測 |
研究概要 |
平成16年度の研究結果より、本邦の褥瘡発生には圧迫と共に皮膚のずれが非常に重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、乾燥皮膚が褥瘡リスクになっていることも確認できた。そこで、皮膚保護のコンセプトをまとめ、医用工学研究者へのコンサルテーションを踏まえ、皮膚保護用具を開発した。本製品のコンセプトはずれの軽減と乾燥皮膚の改善とし、前者には低摩擦性最外層、後者にはセラミド含有ハイドロコロイドを使用することで対応した。本製品の安全性を、ヒト皮膚に対するパッチテスト、ウサギを用いた皮膚一次刺激性試験、培養細胞を用いたコロニー形成阻害試験により検討した結果、いずれの結果も本製品の高い安全性を示していた。なお、この検討は(社)日本毛髪科学協会に委託して行なったものである。次に、本製品のコンセプトが有効であるかどうかを検証するため、以下の研究を行った(日本褥瘡学会誌2005;7(1):107-114)。本製品を用いて、健常人肩甲骨(N=12)を対象にずれ力軽減効果を検証した結果、従来から褥瘡予防に使用されているフィルムドレッシング材に比較して有意にずれ力発生を軽減していた。また、乾燥皮膚改善効果をインフォームドコンセントを得た高齢者の腸骨部(N=11)を対象に検証した結果、フィルムドレッシング材に比較して有意に乾燥皮膚を改善していた。これらの結果より、新たに開発した皮膚保護用具の有用性および安全性が確認されたので、実際に患者に使用するための前段階が整ったといえる。
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