研究課題/領域番号 |
16390648
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
楊箸 隆哉 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (90191163)
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研究分担者 |
堀内 美和 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (90381714)
本田 智子 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (50325726)
坂口 けさみ 信州大学, 医学部, 教授 (20215619)
大平 雅美 信州大学, 医学部, 教授 (50262738)
木村 貞治 信州大学, 医学部, 教授 (70252111)
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キーワード | 高齢者 / 運動機能 / 高次脳機能 / 健康評価 / 環境科学 / 老人介護施設 / ADL / P300 |
研究概要 |
本年度は、高次脳機能評価と睡眠評価のための予備実験、そしてフィールドでの予備調査を行った。高次脳機能評価では、都内の有料老人ホームにおいて、ADLがほぼ自立している76-92歳の男女10人を対象に、事象関連電位(P300)の測定を試みた。10人のうち8人は明瞭なP300波形が識別でき、その平均潜時は464.3±103.1msec、平均振幅は13.7±11.2μVであった。残りの2名は、波形が平坦であり、P300の同定が不可能であった。 また、睡眠評価では、学内にある実験室において、年齢20-25歳の学生9人を対象にP300および反応時間を用いた寝起きのテストと、主観評価によるその後の眠気調査を行った。朝10時の活動時に測定したコントロールでは、P300潜時は、329.3±23.5msec、光を合図になるべく早くジャンプする単純反応時間(ジャンプテスト)の潜時は420.3±50.1msecであった。これに対して、明け方REM睡眠中に覚醒を促した場合、P300潜時はコントロールと比較して大きな差は認められなかった(328.1±23.1msec)が、ジャンプテストの潜時は522.0±89.3msecと、著明に延長した。さらにNON-REM睡眠中(STAGE 1-2)に覚醒を促した場合では、P300潜時は340.0±31.3msec、ジャンプテストの潜時は529.7±60.5msecと、両者とも著明に延長した。 これら2つの予備実験を通して、高次脳機能評価および寝起きの評価のための指標の1つとして、P300測定が有効であることが確認されたが、P300測定のための手技は煩雑であることから、その他の簡便な指標も必要であることが明らかになった。また、ジャンプテストは健康な高齢者では用いることが可能であるが、立位が不安定な人では、座ってできるボタン押し反応時間などの方が現実的であると思われる。今後、主観評価と併せて指標作りを進めていく予定である。
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