研究課題/領域番号 |
16390648
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
那須 裕 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (50020839)
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研究分担者 |
岩月 和彦 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (20004666)
北山 秋雄 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70214822)
本田 智子 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (50325726)
坂口 けさみ 信州大学, 医学部, 教授 (20215619)
大平 雅美 信州大学, 医学部, 教授 (50262738)
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キーワード | 高齢者 / 高次脳機能 / 運動機能 / 健康評価 / 環境科学 / 水中運動 / 睡眠実験 |
研究概要 |
施設入居高齢者や一人暮らしの高齢者は外の社会との接触がなく、その生活環境は画一的に傾き勝ちであり、継続的な刺激を与える余裕もない状態である。従って、高齢者の運動機能及び高次脳機能を現場で簡便に測定・評価する方法を開発し、日常生活への看護介入の科学的根拠となりうる客観的エビデンスを集積し、高齢者の生活の質を上げるための簡易な手法を開発することが急務である。本研究ではそのための基礎データを集積している。当該年度には次のようなことを実施した。 1)睡眠に関する検討 高齢者にとって良質の睡眠をとることが、その健康維持にとって最大の課題である。今回は睡眠の質に関する予備的検討を行い、レム睡眠およびノンレム睡眠の表れ方のパターンと睡眠環境との関連についていくつかの知見を得た。しかし未だ最良の睡眠環境についての結論は得ておらず、また年齢による違いも明らかにされていない。また検討結果を施設入居高齢者に如何に当てはめてゆくかも、今後の課題である。 2)高齢者の水中運動継続の運動機能および高次脳機能に及ぼす効果 他の研究プロジェクトと共同で継続している高齢者の水中運動グループに対して、その継続が運動機能にどのような影響を及ぼすかを検討した。水中運動を開始して1年後には、多くの参加者に血圧の安定化、脚力の強化が観察され、また長期間継続者には脚力の衰えず殆ど見られないことが明らかになった。集団的に楽しくトレーニングを継続することの意義と効果が示された。 3)マッサージが筋肉の凝りに与える身体の主観的評価及び生理反応への影響 肩こりの症状を有する者と持たない者とに対して、マッサージを施術後、どのような感想を持ったか(凝りが直ったか否かをも含めて)、筋組織の酸素化の状態および血流の変化等を調べた。その結果、マッサージは肩凝りの自覚症状を軽減し、血流を増加することが明らかになった。この検討は、主として本学修士学生の課題として実施したものである。 4)高齢者グループの継続観察のためのデータベースの作成 水中運動講座、施設入居高齢者等、長期的に(数年に亘り)継続観察する集団の各種データを集積、解析し、対象者に還元してゆくためのデータベース構築を行った。
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