研究概要 |
本研究では,三つ子の出生体重・出生身長・頭囲を分析し,それらに関連する要因について検詞した。対象者は,当研究室で把握しており,かつ研究の主旨説明に同意の得られた1978年以降に出生した三つ子をもつ母親および三つ子370組,1109人(死産の者を除く)である。調査内容は,三つ子の出生体重・出生身長・頭囲,性別,出生順位,在胎週数,母親の身長,妊娠前の体重,および不妊治療の有無である。なお,母親の妊娠前の体格については,body mass index(BMI)を算出した。 本調査における三つ子の出生体重,出生身長,ならびに頭囲は,それぞれ平均1714.3±429.9g,41.5±3.62cm,30.0±2.38cmであった。在胎週数ごとに出生体重,出生身長,ならびに出生頭囲を分析すると,出生体重と出生身長は単胎児の基準値に比べ小さかったが,三つ子の出生頭囲は単胎児の頭囲と差が認められなかった。また,三つ子の出生体重は,三つ子の出生順位,および母親の妊娠前の体格と有意な関連が認められ,第1子が一番重く,第2子,第3子の順で出生体重が軽くなり,かつ妊娠前のBMIが大きい肥満型の妊婦から出生した三つ子は出生体重がより重かった。出生身長は,三つ子の性別,および母親の妊娠前の体格と有意な関連が認められ,男児が女児よりも出生身長が大きく,妊娠前のBMIが大きい肥満型の妊婦から出生した三つ子の方が出生身長も大きかった。さらに,三つ子の出生頭囲と関連する要因を分析すると,三つ子の出生頭囲は出生順位と関連が認められ,第1子が30.3±2.33cm,第2子が29.9±2.38cm,第3子が29.7±2.40cmと,第3子が一番小さくなっていた。また,頭囲についても性差があり,男児が女児よりも0.5cmが大きかった。
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