不妊治療の影響により、多胎出産が年々増加しており、なかでも品胎(三つ子)出産が激増している。三つ子は単胎児や双子に比べより小さく生まれるが、三つ子出生後の身体発育に関する研究は国際的に見てもほとんどみられない。本研究では、三つ子の母子保健指導に必要な身体発育指標の基礎的資料として、三つ子の6歳までの体重・身長の発育状況を分析し、一般児との比較から三つ子の発育に関する特徴を検討した。対象者は、当研究室で把握しており、かつ研究の主旨説明に同意の得られた三つ子をもつ母親および三つ子366組、1098人である。 本調査における三つ子男児の体重の発育状況を50パーセンタイル値でみると、出生体重が1.74kg、1歳時が8.65kg、6歳時が18.20kgであった。同様に、三つ子女児における体重の発育状況は、出生体重が1.67kg、1歳時が8.27kg、6歳時が17.6kgであった。さらに、身長の発育状況を50パーセンタイル値の変化でみると、男児では出生身長が42.0cm、1歳時が72.1cm、6歳時が111.2cmであり、女児では出生身長が41.5cm、1歳時が71.0cm、6歳時が110.5cmであった。一方、一般児と比べた三つ子の出生後の体重差は、出生時が50%以上と最も大きく、その後1年で減少するものの、6歳の時点まで3〜9%の差が認められた。さらに、身長差は、出生時が15%以上と最も大きく、その後1年で減少するが、6歳の時点まで3〜5%の差で推移していた。
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