研究課題
基盤研究(B)
初年度は龍泉窯関係現地調査、胎土、青磁紬の化学分析、成分分析を実施した。中国故宮博物院・出光美術館所蔵の宋、元、明代の青磁大皿の形状、寸法とその焼成法の調査、文様の模写を実施した。次年度は復元的大皿制作、釉薬調合試験を実施した。その試料分析結果に基づいた胎土調合と青磁紬調合試験と現代の龍泉窯の胎土、青磁紬を使用し、復元焼成を試みた。素地、釉薬を日本の原料で調合制作し、実際の器物に施粕、焼成実験を実施した。最終年度は中国龍泉窯にて故宮博物院所蔵の宋、元代青磁大皿、東京芸術大学においては250種類の青磁釉の調合と焼成試験、出光美術館所蔵の青磁大皿の復元的制作実施した。研究成果は、龍泉窯にて制作した宋代『龍泉刻花皿』元代『龍泉赭石回魚皿』青磁大皿4枚、青磁香炉他約20点を焼成し、東京芸術大学では『青磁貼花四魚文鉢』『青磁刻花仙桃文皿』『青磁貼花四魚文鉢』など復元的制作約20点、合計40点の復元的焼成と250種類の青磁紬試験片と其の焼成結果と3種類代表的な青磁釉を作成した。中国龍泉窯における龍窯、厘、ック等の窯道具を作る耐火土は当時最も必要とされている原料であった。龍泉窯周辺に5大耐火土鉱があり、それらの窯道具によって、元代の大皿の焼成が可能になり世界に伝播したことが判明した。龍泉地域の磁土は未風化磁土、風化磁土があり、乾燥素地は手で粉状にすることができるくらいに軟らかく彫文に適している磁土で、磁土は主に硅石、カオリン、雲母などが含まれている。素地、釉薬とも紫金土を使用しており青磁の発色、焼成に重大な影響を与えている。1000度前後で素地と粕薬の原料を焼成してから調合しており、青磁釉の厚掛けに起因する釉のはがれなど防止しており大変効果的な方法で大量生産を可能にしていたことは新知見である。
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すべて 雑誌論文 (8件)
13世紀~14世紀の龍泉窯陶磁技法"青磁大皿"の復元的焼成研究平成16年度~平成18年度 研究成果報告 1号
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2004-2006 Report on the "Research on the Reconstruction of Glazes and Firing Techniques of "Big Celadon Platters" Produced at the Longquan Kilns During the 13^<th> and 14^<th> Centuries" Number 1
上林湖越窯青磁文化国際討論会
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ISCAEE 2006中国清華大学 国際陶芸教育交流年会論文集 1巻
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Shan g Lin Hu International Symposium on Yuezhou Kiln Celadon Culture, Single edition
ISCAEE 2006 Tsinghua University - Catalogue of papers from the annual symposium of the International Society for Ceramic Art Education and Exchange Number 1