研究概要 |
当該コレクションは,1886年までに約4万枚の浮世絵を,当時の英国政府が一括購入し,当博物館に納めたことに始まる.その後、エジンバラのスコットランド国立博物館に約5千枚が分与され現在に至っている。この世界最大規模の浮世絵コレクションは、あまりにも膨大であるため、これまであまり紹介されたことがなく、一部の浮世絵図録集成に2冊分として本コレクションが紹介されているにすぎず、ほとんどの作品は、いまだ未紹介のままになっている. 今年度は、昨年度までに完了した、ヴィクトリア&アルバート博物館分のデジタル化作業に引続き、上記スコットランド国立博物館所蔵浮世絵5千枚についてのデジタルアーカイブ作業を推進した。9月、3月に滞在し、博物館学芸員の協力をもらいながら、展示品を含めて、すべての版画作品のデジタル撮影を完了した。また、9月の訪問では、システム部門担当者との基本的なデータベース構造の確認ができた。 また、9月と3月それぞれにおいて、ヴィクトリア&アルバート博物館とのミーティングを行い、進捗状況の確認とデータ構造の調整作業を行った。8月には、ヴィクトリア&アルバート博物館の一つの特徴である化政期以降の役者絵との関連において、オランダライデン国立民俗博物館の浮世絵調査を実施できたことも大きな成果である。 なお、本研究による企画ではないが、このカタロギング作業の副産物として、2007年度5月に日本において、本博物館所蔵浮世絵展が開催されることになり、その作業に本研究成果の一部が利用されていることを付加えておく。
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