実績概要 1、2004年度は、ロシア(モスクワ国立図書館、モスクワ大学図書館、サンクトペテルブルーク国立図書館、政府部門の档案館)、イギリス、中国(北京および東北3省)、韓国(釜山、ソウル)の主要図書館、資料館、档案館における日本関連資料の所蔵状況、保存状態、史料価値の評価など作業をおこなった。 今年度の調査は、研究課題の「日本統治下のアジアとジャーナリズム」を研究するための基礎的な調査、研究として位置づけ、とりあえずとういうものが、どこに、どのくらいあるかを把握することに勤めた。現在、北米における日本関連資料の調査はかなり進んでいるため、この調査では、その部分を省いている。これからさらに台湾における資料の状況も調査しなければならない。2005年度までには、地球上の戦前の日本関連資料、特にジャーナリズム活動に関する資料の状況を概ね把握できるようにしたい。 2、日本統治下のアジアで発行された主要新聞『盛京時報』(奉天、漢字)、『大韓毎日申報』(ソウル、ハングル)、『台湾日日新報』(台北、日本語)のような、旧満州、植民地時代の朝鮮半島、台湾を代表する新聞に関する資料の整理も進んでいる。 現時点では旧満州、朝鮮、台湾における日本人のジャーナリズム活動に共通点、或いは異なる点はあったか、あったとするならどのように、どんなところに現れたか、などを考えながら資料の充実を図っているところである。 3、2005年度は、すでに史料の所蔵場面、資料的価値の評価など作業を終えているものに対する、集中的な検討、すなわち、資料の解読作業に入る。中国沈陽にある遼寧図書館所蔵の史料、中でも『盛京時報』の解読、分析作業を行うつもりでいる。(全141巻のものであるが、これを購入することも検討したい) 他に、韓国、台湾の史料をつき合わせて調査する必要もあり、韓国台湾での調査も予定している。
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