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2005 年度 実績報告書

19世紀から20世紀におけるロシアの極東経営と北方世界-露清関係の変容を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 16401011
研究機関新潟大学

研究代表者

麓 慎一  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教授 (30261259)

キーワードロシア / 北方 / サハリン / 極東 / 清 / 北海道 / 日露戦争 / 明治六年政変
研究概要

本年度は、19世紀から20世紀における北東アジアの変容と日本の北方世界の関連について次の三つの点を解明した。第一には、ロシアの北方進出の契機となったプチャーチンの来航ならびに日魯通好条約の締結過程をロシア側の史料によって解明した。特に、ロシア政府の日本問題に関する特別委員会における協議内容やプチャーチンに対する外務省ならびに海軍省の訓令を分析し、論考を発表することができた。これらの史料は、ロシア人研究者もほとんど利用しておらず、今年度における当該研究の大きな成果の一つである。第二は、明治維新期における日本の東アジア政策-特に征韓論政変(「明治六年政変」)-が沿海州獲得以後のロシアの南下への対抗という要因に規定されていることを外務卿副島種臣等の史料から分析し、論考を発表することができた。第三は、中国側の研究者の協力によって日露戦後の露清関係の変容のポイントである中東鉄道についての中国側の研究を分析する機会を得ることができた。この問題については、ロシア外務省外交資料館(在モスクワ)ならびにロシア国立文書舘(在モスクワ)でロシア側の史料をすでに入手している。これらの史料によって日露戦後の露清関係の変容と北方世界の関係を研究する基盤を形成することができた。特に、日清戦争後の清政府のロシアに対する借款が、清国のロシア化を強く促進し、それに対して明治政府が北方政策の再編を構想するという点まで分析することができた。さらにロシア側の当該期の極東政策の分裂-ロシア外務省と極東太守アレクセーエフの対立-が露清関係の変容をもたらし、さらには日本政府に北方も含めた北東アジアの政策の再編を促したことが解明できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 維新政府の東アジア政策-樺太問題と朝鮮問題の関連について-2006

    • 著者名/発表者名
      麓 慎一
    • 雑誌名

      新潟大学環日本海研究年報 13巻(印刷中)

  • [雑誌論文] 日魯通好条約について-日露交渉とE.B.プチャーチンへの訓令を中心に-2006

    • 著者名/発表者名
      麓 慎一
    • 雑誌名

      日露関係史をめぐる国際研究集会2006予稿集(2006・3・2) (印刷中)

  • [雑誌論文] 維新政府の成立とロシアのサハリン島政策-プリアムール地域の問題に関する特別審議会の議事録を中心に-2006

    • 著者名/発表者名
      麓 慎一
    • 雑誌名

      北海道大学スラブ研究センター研究報告集 11

      ページ: 1-20

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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