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2006 年度 研究成果報告書概要

台湾で新発見された甲骨片の謎

研究課題

研究課題/領域番号 16401013
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分海外学術
研究分野 東洋史
研究機関愛媛大学

研究代表者

東 賢司  愛媛大学, 教育学部, 准教授 (10264318)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
キーワード国際情報交換 / 中国 / 甲骨 / 河南民族博物館 / 中華民国 / 拓片 / 拓本 / 甲骨文字
研究概要

河南民族博物館は、中華民国時代の1927年に河南省教育庁によって計画され、翌年28年5月に設立された機関である。1930年11月に河南古物保存委員会に併入され、河南博物院と改称された。「民族博物院」と称されたのは、2年7ヶ月ほどのわずかの期間であったが、私はこの博物館の存在を近年まで知ることはなかった。旧河南民族博物館所蔵の甲骨片は、この博物館の院長であった何日章が中心となって発掘を行っている。1929年10月21日に発掘を開始し、その後1930年4月までに2度発掘を実施。発掘品が中央に運ばれず、河南省の博物館に収蔵されるようになったのは、河南省の関係者による発掘であったためと想像できる。
先行の著録には、収録されていない甲骨群と思われたが、『殷墟文字存真』というごく少数出版された著作に一部の資料を収録していた。著者は、河南民族博物館の建設にも関わった、関百益という人物である。この初集の表紙には「開封関百益選拓、開封許敬参考釈、民国21年初版」とあり、1931年に出版されたことがわかる。値段は50元と極めて高価な資料集である。その後一〜五集と八集が出版されたが、途中の六・七集は資金的な問題で出版されなかったようである。当初の計画では、1集に100片を収録し、全部で800片を収める予定であった。この顛末は、『河南民族博物館館刊』第七・八号に詳しく記述されていることも確認できた。
拓本には「河南民族博物院蔵」の収蔵印が押印しているものがある他、採拓した画仙紙を裏打ちし、骨の形に切り取ったものもある。これらは、前節で挙げた『殷墟文字存真』を作成するために採択した可能性が高い。裏打ちした拓本がその証拠となるが、『存真』は、日本・中国・台湾の三国にそれぞれ数カ所保存されているのみの原拓集であり、実地調査から拓本を裏打ちした後に厚紙に貼り付けていることが確認できている。中国古代史の研究に重要な意味を持つ資料であることが明らかにできた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 河南民族博物館旧蔵甲骨拓本調査記録2006

    • 著者名/発表者名
      東 賢司
    • 雑誌名

      愛媛大学教育学部紀要 53・1

      ページ: 213-222

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Kanan Folk Museum old warehoues oracle bones stome-print investigation record2006

    • 著者名/発表者名
      HIGASHI Kenji
    • 雑誌名

      Bulletin of Department of Education at Ehime University 53-1

      ページ: 213-222

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2010-02-04  

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