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2007 年度 実績報告書

ケーララの場所を巡る宗教的実践と政治的実践に関する人類学的研究-クラヴァの事例

研究課題

研究課題/領域番号 16401026
研究機関筑波大学

研究代表者

内山田 康  筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50344841)

キーワードインド / ケーララ / クラヴァ / 土地査定 / 葬送儀礼 / 降霊会 / 不可触民 / モダニティ
研究概要

研究の4年目(最終年度)となった平成19年度は、クラヴァの聖地として知られるペルヴルティマラナダにおけるクラヴァの土地所有の変化について、聞き取りを行った他、土地登記の記録を、村、郡、タルック、州レベルの役所で調べた。現在ペルヴルティマラナダにおいてクラヴァの神を祀るだけでなく、多くの参拝者と多大な収益を上げる宗教法人を運営している非クラヴァの役員たち、近隣の有力な役人たち、周縁に位置するクラヴァの年配者たち、土地を奪われた記憶が希薄なクラヴァの若い人々からも聞き取りを行った。また、降霊会と占いを司るプラーティと葬送儀礼に参加した。さらにクラヴァの絵師が、インドの経済自由化に伴って始まったデジタル印刷およびコンピュータグラフィックスの普及によって仕事を失った過程についても調査した。主な成果を以下に挙げる。(1)クラヴァたちが以前から聖地ペルヴルティマラナダが彼らの土地だったと主張していたことを裏付けるような古い土地査定の記録がケーララの州都ティルヴァナンタプラムの測量事務所のアーカイヴで見つけることが出来た。この土地は、聖地として税を免除されていたことが判明した。(2)非クラヴァの宗教法人役員たちが主張し、地方の役人もそれを信じていたドゥリョーダナの名前で土地が登記されているという事実はなかった。(3)土地を奪われた記憶を持たない30歳代のクラヴァの宗教実践者たちは、非クラヴァの有力者たちによって始められた儀礼の手続きとモチーフを受け入れていた。(4)クラヴァたちは、政治参加を通して、宗教的実践、特に葬送儀礼と祖先祭祀を変容させていた。(5)この変容はインドのモダニティ、すなわち土地所有形態の変化、クラヴァの土地へのゴムプランテーションの浸透がもたらした社会経済的な変化と密接に関係している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 沈黙する死者:降霊術師とケーララのモダニティ2008

    • 著者名/発表者名
      内山田 康
    • 雑誌名

      歴史人類 第36号

      ページ: 137-153

  • [図書] 『ノイズとダイアローグの共同体』「インドモダンのアレゴリーと瞑想する卵」2008

    • 著者名/発表者名
      内山田 康
    • 総ページ数
      97-136
    • 出版者
      筑波大学出版会

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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