研究課題/領域番号 |
16401028
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
荻原 眞子 千葉大学, 文学部, 教授 (00129074)
|
研究分担者 |
吉田 睦 千葉大学, 文学部, 助教授 (00312926)
渡辺 均 千葉大学, 環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター, 助教授 (80301092)
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50243374)
|
キーワード | アムールランド / アイヌ文化 / 物質文化 / 言語調査研究 / トゥングース語 / 博物館 |
研究概要 |
アムールランドとは便宜的に中国東北部からアムール川(黒竜江)流域、沿海州、サハリンおよび北海道を含めた地域であるとするなら、ここには生態学的環境や生業形態のみならず、言語・文化的にも共通する諸特徴がみられ、また歴史的にもこの地域における諸民族の接触・交流は緊密であった。このことから、この地域の文化を「アムールランド文化」と呼ぶことができる。この前提に立って、本研究ではアイヌの物質文化の形成についての手がかりを求めることを課題として、アムール川下流のブラヴァ村(ウリチ)、中流のナイヒン村、コンドン村(ナーナイ)、沿海州のクラースヌイ村(ウデヘ)においてフィールドワークを実施し、衣食にかかわる生態人類学・民族学的研究、言語学的調査研究、口承文芸の採録などを行った。調査には研究補助者として、古原敏弘(北海道立アイヌ民族文化研究センター)、齋藤君子(ロシア・シベリア民話研究家)両氏が参加した。 また、現地調査と並行して、ヨーロッパ各地の博物館に所蔵されているアムールランドの民族資料の実態調査を試みた。それにより、ライデン、ライプツィッヒ、ベルリンの各民族学博物館に19世紀末-20世紀初頭に採集された諸民族の資料が相当数あり、民族学的には貴重な価値をもつものと考えられるが、その研究は手つかずであることが判明した。 「アムールランド文化」の研究はアイヌ文化研究に新たな展開を促す可能性をもっているばかりでなく、日本列島、東アジアの民族文化、歴史研究にとっても重要な意味をもつ領域であり、今後の発展が望まれる。
|