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2004 年度 実績報告書

開発と抵抗-エチオピア西南部におけるプランテーション開発と牧畜民の抵抗戦術

研究課題

研究課題/領域番号 16401031
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪府立大学

研究代表者

宮脇 幸生  大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (60174223)

キーワードプランテーション / 開発 / エチオピア西南部 / 農牧民 / 抵抗
研究概要

平成16年12月10日から17年1月14日にかけて、エチオピアで現地調査を行った。本年度の目的は、1)プランテーションの組織と活動について、2)プランテーション周辺の町の構成について、3)プランテーション周辺の牧畜キャンプの分布について、調査を行うというものだった。だが実際に現地に行ってみると、プランテーシヨンは政府の介入によって一時的に活動を停止していた。そこで本年度は、1)なぜ私的企業の経営に政府が介入したのか、2)プランテーションの運営が、現在の牧畜社会にどのような影響を与えているのか、に調査を絞ることにした。
政府がプランテーションの運営にいかに関与したのかは、プランテーションの経営者に直接インタビューすることで明らかとなった。理由は次のとおりである。エチオピア-エリトリア戦争のために、出資者であるエリトリア資本家がプランテーション経営から撤退し、代わりにもう一人のエチオピア人経営者は、エチオピア商業銀行から融資を受けて、プランテーションを経営し続けた。だが1997年のアジア通貨危機により、綿花価格が暴落し、そのために銀行が経営に介入し始め、現在では経営権をめぐって、裁判で係争中である。農業機械が差し押さえにあっており、活動が停止している。
他方で現地では、農耕民出身のプランテーション労働者はすでにほとんど引き上げていた。だが現地住民であるクシ系農牧民ツァマコは、プランテーションの施設を利用しつつ、自分たちで新たな灌漑農耕を開始していた。彼らの耕作地は、ひとつは川辺林の中に、ウェイト川から取水して作られていた。もうひとつは、川から十数キロはなれたサバンナに、プランテーションの灌漑用水路から取水して、大規模な灌漑耕作地を作っていた。いずれも、プランテーションが導入した農耕技術やインフラを利用して開始された、新たな現地住民の資源利用だと思われる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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