研究概要 |
国連により2001年には,21世紀の国際社会の共通開発目標として「ミレニアム開発目標(MDGs : Millennium Development Goals)」を設定した。具体的な数値目標として2015年までに達成する8テーマ,18ターゲット,48指標を掲げている。今年度は,本研究と関連ある「目標7:環境の持続可能性を確保する」「目標8:開発のためのグローバル・パートナーシップを構築する」の2目標に従い本研究を進める。 また,2002年ヨハネスブルグサミットの,地球共同体の持続可能な開発の「基本構成3要素:経済開発・社会開発・環境保全」を相互依存・相互補給して進める。 今年度本研究の目的であるマレーシア・カリマンタンを現地調査とし,流域周辺の森林・川辺林の破壊状況の調査を進めた。1998年サバ州では,"Water Resources Enactment 1998"が施行されている。しかし,この法令を実施しているが,現状と乖離している部分が多く発生している。特に,同時に汽水域周辺の環境悪化(水環境・森林環境・土壌環境)が進んでいることが現地調査から判明した。 他方,近年下記の表により「パームオイル」のプランテーション化が急速に進み,その分の森林伐採が行われている。「パームヤシの開発と森林伐採」がトレードオフの関係が成立している。カリマンタン島全体のパームオイル耕作地は,サバ州160,507h(1984)-1,135,100h(2003),サラワク州26,237h(1984)-464,774h(2003)のデータが示す通り増加となっている。2003年州全体の面積に占めるパームヤシの耕作面積は,サバ州34.73%,サラワク州87.08%に達している(WWW提供資料による)。このトレードオフの関係が地球全体のCO_2の増加と大きく関連するため,次年度の研究目的に加える。
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