研究課題/領域番号 |
16402003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
速水 洋子 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (60283660)
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研究分担者 |
竹田 晋也 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (90212026)
神崎 護 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70183291)
高橋 昭雄 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90282706)
土佐 桂子 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (90283853)
落合 雪野 鹿児島大学, 総合研究博物館, 助教授 (50347077)
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キーワード | 世帯戦略 / 市場経済化 / 森林利用 / 植物資源 / ミャンマー / 少数民族 |
研究概要 |
初年度は、まず調査研究の態勢を整えるために速水が9月にヤンゴンを訪れ、SEAMEO-CHATとの協力関係を確認した。シャン州、カレン州などで調査許可を要する地域については、教育省を通じて本機関から申請を進めていただいた。また、現地若手研究者との研究上の協力も本機関を通じて進めた。飯島は北部シャン州およびチェントウンにおいてオーラルヒストリーと文献資料収集を通じてシャン首長の家系の歴史的調査を進めることができた。また、土佐・速水によるカレン州パアン周辺の農村調査についてパアン郡郡平和発展評議会を訪れて調査許可を得た上で、パアン郡では村落の全体的な把握と、パアン・コーカレイ道沿いの十数村について、広さ、個数、人口、簡単な生業を含めて予備調査を行い、次年度以降の調査地を選定するとともに、現地研究者との分業体制を作ることができた。 バゴー山地の調査については前年度終了の別の科研(代表:竹田)からの協力態勢を確認し、鈴木は同山地におけるタウンヤ造林事業への農民の参加についてヒアリング調査を行い、また過去7年間のタウンヤ参加世帯数の変化についての資料を収集した。竹田は、前プロジェクトにて設置した気象データを回収し、引き続き焼畑村における土地利用の全筆調査を行った。焼畑をいまだ全面的に行っている地域での、三年連続の全筆位置調査資料は、地域を越えて焼畑耕作に関する稀有な情報になるだろう。 高橋は、従来の農業省との協力関係をベースにチン州ハカ郡およびファラン郡にて10カ村で焼畑と棚田に関する社会経済調査を行った。世帯調査の前段階としての予備調査として、村の職業構成、焼畑や棚田の保有状況、主な所得源、村の農業史について調査を行うことができた。 これらカウンターパート機関を必要とする調査のほかに、落合はシャン州、カチン州にて現地調査により有用植物(特にイネ科ジュズダマ属)が少数民族の民族衣装においてどのように利用され、あるいはそうした衣類がどのように流通されているか、あるいは仏教儀礼においてどのように利用されているか、その伝統的、現代的利用の双方についての調査を行った。
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