研究課題/領域番号 |
16402004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
久場 嬉子 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50014808)
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研究分担者 |
田中 宏 龍谷大学, 経済学部, 教授 (20086218)
中村 尚司 龍谷大学, 経済学部, 教授 (50172424)
松岡 利道 龍谷大学, 経済学部, 教授 (60081121)
新井 美佐子 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 助教授 (20313968)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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キーワード | 家事・介護労働 / エスニシティ / ジェンダー / 国際移動 / 福祉レジーム / 多民族化 / 労働力の商品化 / 資本主義市場経済 / capitalism market economy |
研究概要 |
本研究は、多くを女性が占めている家事・介護労働者の国際移動をめぐり、エスニシティ、ジェンダー、ケア労働の交差について、理論的かつ実証的に分析しようというものであり、まず何よりも、その現状と実態を明らかにしようとしている。そこでの基本的な問題は、一つに、送り出し国における、家事・介護労働者の海外への送り出しの背景となっている生活・経済状態と諸制度(南北問題と貧困の継続)について、二つに、受け入れ国において外国人労働者や移民労働者が具体的にどのような体制や対応のもとにケア労働に携わっているかについての実態・現状把握である。 本研究プロジェクトでは、家事・介護労働者の送り出しの事例をスリランカに、また受け入れの事例を日本、アメリカ、スウェーデン、シンガポール、クエート、およびUAEに求めている。うち、日本とスウェーデンは、現在いわゆる海外からの家事・介護労働者の受け入れ国ではない。しかし、日本では、在日コリアン一世の高齢者へのケア労働に従事する同一エスニシティの二世・三世がいる。また、スウェーデンでは、政治難民や家族呼び寄せという形でスウェーデンに在住し、スウェーデンの公的介護サービスを担っている多くの外国生まれケア労働者が存在している。その位置づけは、それぞれの福祉レジームのあり方に大きく依存している。このように、本研究ではこれらの事例を含めることにより、家事・介護労働者の国際移動を、先進国経済における目下の政治経済レジームである、政府・市場・家族からなる福祉レジームの多様性という今までにない新しい観点から、その具体的なあり方と関連づけて考察している。この観点は、従来、国民国家=国民経済という分析枠組みの中でのみ把握されている福祉レジームが、多民族化への対応や、従来の枠組みを超える政治的、経済的、社会的な諸契機を内部に含みこんでいるレジームであることを示している。
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