• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

グローバル時代におけるフィリピン地方社会と制度

研究課題

研究課題/領域番号 16402009
研究機関鹿児島大学

研究代表者

西村 知  鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (20253388)

研究分担者 川田 牧人  中京大学, 社会学部, 教授 (30260110)
美甘 信吾  信州大学, 経済学部, 講師 (90377614)
関 恒樹  広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (30346530)
キーワードフィリピン地方社会 / グローバル / 制度 / 海外出稼ぎ・移住 / 宗教コミュニティ / ビジネスと政治 / 農村と制度 / 市民社会的共同性
研究概要

平成18年度は、各研究メンバーがフィリピンにおける現地調査を実施し、研究会を通じてお互いの知見を交換した。また成果報告書の作成の作業を主にe-mailによる原稿回覧によっておこなった。平成18年度の各自の研究内容は以下の通りである。西村はフィリピン、マニラのアテネオ大学や書店においてハシエンダ・ルイシータ、フィリピン糖業、フィリピンの市民社会や共同性に関する文献を収集し、フィリピン農村部における共同性創出の可能性を論文にまとめた。川田は、セブ市におけるグアダルーペの聖母崇拝を活動の中心においた宗教コミュニティ(コフラディア)の実態調査をおこない、宗教的実践を通した市民社会の建設と公共性の創出過程について分析した。市民レベルの宗教実践と国民国家統合の関係性という観点からみれば、地方社会のミクロな宗教コミュニティの活動も、国民的宗教であるカトリシズムのシンボルへの回路となりうることが指摘できる。関は、マニラ首都圏における都市貧困層居住区域において、海外出稼ぎ者、あるいはその家族が抱える経済的・社会的・心理的諸問題に対処する住民組織の活動に注目し、調査を行った。そこでの焦点は、海外出稼ぎ、移住によってもたらされた社会階層間の分断状況が顕在化する一方で、そのような分断状況を克服する可能性を内包する市民社会的共同性を生み出す住民達の実践であった。美甘は、研究会での議論等を通じて、「民主政治」の深化とそのための「共同性」創出の可能性をグローバル化とフィリピン社会変容の文脈に位置づけ理解する、という研究テーマが明確化した。「民主主義」と「共同性」の概念を再考するために、既存の政治学研究を中心としたレビューを進め、それを元にフィリピン社会を分析する視角を模索した。その結果、階層横断的な社会ネットワークの形成に着目する重要性が認識され、ビジネス・コミュニティと政治についての科研報告論文をまとめた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Book Review : Carolyn Brewer, Shamanism, Catholicism and Gender Relations in Colonial Philippines, 1521-1685.2006

    • 著者名/発表者名
      Makito KAWADA
    • 雑誌名

      Asian Folklore Studies LXV-1

      ページ: 116-118

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 踊る路上の聖人 ストリートから広がるフィリピンの聖像崇拝の生活風景2006

    • 著者名/発表者名
      川田 牧人
    • 雑誌名

      季刊民俗学 117号

      ページ: 76-91

  • [雑誌論文] 伝承知識とノスタルジー - よりよい暮らしの語り口-2006

    • 著者名/発表者名
      川田 牧人
    • 雑誌名

      中京大学社会学部紀要 21巻1号

      ページ: 65-85

  • [図書] Frontiers of Social Research : Japan and Beyond. (Akira Furukawa ed.)2007

    • 著者名/発表者名
      Makito KAWADA (coauthor)
    • 総ページ数
      351
    • 出版者
      Melbourne : Trans Pacific Press
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 海域世界の民族史-フィリピン島嶼部におけ移動・生業・アイデンティティ2007

    • 著者名/発表者名
      関 恒樹(短著)
    • 総ページ数
      364
    • 出版者
      世界思想社

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi