• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

東アジアにおける重工業の展開と日本の技術移転に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 16402016
研究機関桃山学院大学

研究代表者

上田 修  桃山学院大学, 社会学部, 教授 (30160162)

研究分担者 松崎 義  法政大学, 現代福祉学部, 教授 (70061174)
李 捷生  大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (50255634)
キーワード鉄鋼業 / 中国 / 産業政策 / 臨海一貫型製鉄所 / 臨江一貫型製鉄所 / 内陸部一貫型製鉄所 / 小型製鉄所
研究概要

過年度に実施した調査から、中国鉄鋼業の驚異的な発展の背後に重層的ともいえる産業構造が存在し、それによって鉄鋼生産量が一層加速化されていることが明らかとなった。同時に、鉄鋼業の急成長とともに、環境(汚染)問題や資源問題が深刻化し、放置し得ない状態になっており、そこから産業規制を目的とする政策が立案、実施されていることについても明らかにした。この点をふまえ、研究期間の最終年度である今年度は当初の調査計画を修正し、中国鉄鋼業のダイナミックな発展とそれが抱える問題を析出することに焦点をあてることとした。調査の主たる狙いを秩序ある産業発展を目的として、規模によって規制を加えるという産業政策に対する鉄鋼企業の対応を明らかにすることに定めた。この作業をおこなうため、中国鉄鋼業を(1)臨海(江)一貫型製鉄所、(2)内陸部型製鉄所、(3)小型製鉄所という3類型に分け、主として(2)と(3)のタイプの企業、および関連企業を選んだ。調査の結果、次の点が明らかとなった。(1)生産規模を基準とした規制という政策に対して、各タイプの企業はそれぞれ他企業との連携、移転の模索といった形で生産量の拡大を積極的に追求していた。これは産業政策の想定とは異なり、生産量のさらなる増加をもたらす可能性を持つ。(2)産業政策の想定とは異なった企業行動が顕著にあらわれた理由は、鉄鋼企業が雇用量、売上高をはじめとして、それが位置する地域で最も重要な経済主体となっており、その去就が地域経済へ深刻な打撃を与えるからである。地方政府にとって、鉄鋼企業への規制は重大問題である。内陸部型製鉄所ではこの問題が典型的にあらわれていた。ここに産業政策、地域経済、企業規模といった問題が複雑に絡み合い、それが鉄鋼産業の発展に複雑な影響を与えている構造を読み取ることができる。他方(3)鉄鋼業の発展を基礎づける技術ならびに人的資源の開発は、相当の程度まで自力で行える段階に到達していた。ここには日本がおこなった技術移転の成果が反映されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 中国の地域労働市場に関す-鱒考察(上)2007

    • 著者名/発表者名
      李 捷生
    • 雑誌名

      季刊経済研究 30-1

      ページ: 19-33

  • [雑誌論文] 1950年代における現場管理組織の改革とフォアマン制度の導入(1)2007

    • 著者名/発表者名
      上田 修
    • 雑誌名

      桃山学院大学経済経営論集 49-2

      ページ: 31-52

  • [雑誌論文] 1950年代における現場管理組織の改革とフォアマン制度の導入(2)2007

    • 著者名/発表者名
      上田 修
    • 雑誌名

      桃山学院大学経済経営論集 49-3

      ページ: 39-68

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi