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2006 年度 研究成果報告書概要

近代移行期における財産と所有の比較経済史研究

研究課題

研究課題/領域番号 16402018
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分海外学術
研究分野 経済史
研究機関香川大学

研究代表者

村山 聡  香川大学, 教育学部, 教授 (60210069)

研究期間 (年度) 2004 – 2006
キーワード財産 / 所有権 / 相続パターン / 世帯構造 / 近世社会 / ソーシャルキャピタル / 家族史 / 国際情報交換
研究概要

近代移行期の財産と所有に関する海外学術調査の研究成果は以下の点にまとめることができる。
1.分割相続地域と一子相続地域において、歴史資料のあり方が決定的に異なる。遺言書あるいは婚姻の際に遺産目録が体系的に作成されたのはドイツではヴュルテンベルク地方などに限られる。
2.18世紀に租税の公平さのために行われたヘッセン州の村落もしくは都市の調査の記録は、地域の包括的な自然ならびに社会的な資源調査であった。この地域資源の総合的把握は、個人所有に関する遺産目録とは全く異なった財産把握の仕方であり、この資料の存在は近代移行期の財産と所有に関するこの調査の新たな発見となった。
3.チェコ(南ボヘミア)のチェボーニュ国立地方文書館所蔵の史料、特に人口関係資料は非常に貴重なものであり、今回の調査における最も大きな発見と言ってよい。第二次ライプアイゲンシャフト(体僕制)の地域として知られる同地域であるが、17世紀半ばから19世紀半ばにかけて、毎年作成されたセンサスタイプの史料が残されており、またその史料と連動して、財産関係に関しても詳細な遺産記録簿が残されている。
4.これまでの資料調査の過程で明らかにされて来たことは、近世期つまり近代移行期においては、国家の官僚制化の過程がそれぞれの地域社会において、実に様々であり、その結果、膨大かつ多様な史料群が財産と所有に関しても残されているということである。つまり、近代社会における通常の私有財産だけではなく、「財産」に関する多様な把握の仕方が存在した。
5.この財産把握のあり方の多様性は、「財産」そのものをどのように捉えているかという財産の内容が反映していると同時に、それは国家の意志と目的と民衆の意志と目的とのせめぎ合いの中で生み出されたものであるということである。つまり、「財産」に関する史料のあり方は、その地域の特色として把握できることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] The History of the Family in Japanese Journals : 1960-19992006

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Murayama
    • 雑誌名

      嘉川大学教育学部研究報告 第I部 第126号

      ページ: 45-59

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] The History of the Family in Japanese Journals : 1960-19992006

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Murayama
    • 雑誌名

      Kagawa Daigaku Kyoiku Kenkyu Houkoku I-126

      ページ: 45-59

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] 中近世ドイツにおける相続パターンの決定要因ールール・システム・パターンー2005

    • 著者名/発表者名
      村山 聡
    • 雑誌名

      香川大学教育学部研究報告 第I部 第124号

      ページ: 49-65

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] マイクロスタディはドイツ研究に何をもたらすか2005

    • 著者名/発表者名
      村山 聡
    • 雑誌名

      ドイツ研究 第39号

      ページ: 36-51

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Determinants of Inheritance Pattern in Medieval and Early Modern Germany2005

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Murayama
    • 雑誌名

      Kagawa Daigaku Kyoiku Kenkyu Houkoku I-124

      ページ: 49-65

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Historical Microstudy for German Studies2005

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Murayama
    • 雑誌名

      Deutsche Studien 39

      ページ: 36-51

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2008-05-27  

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