研究概要 |
2004年度に三ヶ国の大学生調査、2005年度に三ヶ国の既婚者調査をそれぞれ実施し、最終年度にはは、主に三力国の既婚者調査結果を中心として分析と報告を進めた。既婚者の調査は、2005年9月(日本)、12月(マレーシア)、2006年3月(ベトナム)に完了したが、日本では約1200票、他の2力国は約500票ずつの有効回収を得た。日本については先行して調査報告書を刊行した(2006年3月)が、三力国の全データ分析は、2006年度以降に行われ、分析結果を学会報告として発表した(日本社会学会大会、立命館大学、2006年10月28/29日)。大学生調査と既婚者調査データを比較した「東アジアにおける結婚と出生に関する国際比較研究・中間報告」、日本の既婚者調査を中心とした「都市居住者のライフコース・家族観と少子化」、三力国のボンドデータを利用した「アジア三ヶ国(日本、マレーシア、ベトナム)における結婚・家族でみる少子化過程」の3本である。 学会での発表をふまえ、現在、論文や研究ノートとして学術雑誌に投稿し審査中である。2007年2月28日には外国人研究協力者を招聘して国際ワークショップを本学にて開催した。日本、マレーシア、ベトナムの研究者から、それぞれComparative Study on Marriage and Birth in the East Asia, Birthrate Declining in Japan, Marriage, Gender Roles and Childbearing in Urban Malaysia: A Case Study of Kuala Lumpur/Petaling Jaya Metropolitan Area, Fertility Decline in Vietnam: Trends, Differentials and Policy Issuesが発表された。本研究成果によると、日本では現在の少子化傾向の継続、マレーシアでは緩やかな少子化への傾向の継続と従来の見解を覆すものでは無かったが、ベトナムでは急激な少子化への変化が確認できた。現時点では、残念ながら研究費助成の確約を得ておらず、研究継続の見通しがないが、引き続き三ヶ国データを利用した分析のみは進める予定である。
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