研究課題/領域番号 |
16402036
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
作道 信介 弘前大学, 人文学部, 教授 (50187077)
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研究分担者 |
北村 光二 岡山大学, 文学部, 教授 (20161490)
太田 至 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (60191938)
曽我 亨 弘前大学, 人文学部, 准教授 (00263062)
羽渕 一代 弘前大学, 人文学部, 准教授 (70333474)
辻本 昌弘 東北大学, 大学院・文学研究科, 講師 (90347972)
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キーワード | トゥルカナ / 社会変動 / 交渉 / 病気対処 / 生活世界 / 干ばつ / アフリカ / 牧畜民 |
研究概要 |
最終年度であるため、補足調査と報告書作成のための資料整理、概念整理をおこなった。 1)カクマ周辺住民の病歴調査、治療場面への参加をおこなった。同時に、キャンプの設置とともに流入してきた外来治療者についての知見も収集整理した。それによれば、キャンプの病院・診療所への依存が高まっていることが確認された。「血液検査」「点滴」「注射」「カプセル」といった言葉が定着している。同時に、マッサージ師、薬売り、音楽バンド治療者、移動治療者が流入してきたことも確認された。これらの変化がトゥルカナの病気観や身体観にどのような影響をあたえているか、予察をおこなった。 2)占い場面、日常的な交渉場面において、難民キャンプ(難民)がどのように言及されているのかについてフィールドノーツを再検討した。 3)カクマに比較的早い時期に携帯電話のアンテナが設置されたのには難民キャンプの存在がある。携帯電話がどの程度トゥルカナ側に普及しているのか、どのような利用形態があるのかをインタビューによって接近した。それによると、携帯は牧畜民の既存の人間関係を固定化、強化する反面、対面場面での関係形成の柔軟性を損なう可能性があることが示唆された。牧畜民への携帯普及はまだまだであるが、近代化における牧畜民的自己の変容というテーマが浮上した。
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