研究課題
基盤研究(B)
日独米の3カ国の比較研究を進めるにあたって、第1に共同研究者との研究基盤の共有をはかるべく、米国教育学会での米国共同研究者とのシンポジウム、"Images of Children's Intellectual Development from Two Cultures"保育学会での「日本の保育はどこへ向かうのか:東洋と西洋の対話をめざして」を実施し、「知的」の認識の相違についての論考を深めた。またドイツ共同研究者と日本乳幼児教育学会において「ドイツ幼児教育総合施設における学び-日本との比較から」と題して、ビデオ映像を通して具体的な保育観の比較をもとにしたシンポジウムを開催し、またさらに日本の特色を再認識するために東京大学で「21世紀アジアの幼児教育」のシンポジウムを実施した。第1の視座の共有と併行し、第2に実証的研究として、日本、ドイツの保育ビデオクリップの作成をビデオ場面の選択、意見交流、予備調査分析から行った。そして日本、ドイツの保育者が各々の国のビデオをどのように視聴するかに関する本調査データ収集を2ケ国間の保育者に実施した。現在その分析を実施している。第3に日本とアメリカにおいて、幼児教育専攻学生、保育者に2の日本版ビデオの視聴とそれに関わる質問紙調査を実施した。その結果、特に日米の学生の比較としては、日本の学生は「子どもの育ちを助ける保育」「子ども主体の保育」を良いものとしてとらえ「保育者の適切なかかわりや言動・態度」「環境保育計画の明瞭さ」「日頃の保育の積み重ね」などの働きかけをうけて整理するものとして捉えていること、これに対し、米国の学生は「子どもを監督すること」「子どもを導くこと、自主性を育てる、創造性を育む、協同性を促すこと」をよい保育者の役割としてとらえているといった相違が明らかになった。ただし米国幼児教育を専攻する学生にとっては、日本の保育を見ること自体が慣れないために、この点については米国保育場面ビデオ作成の実施とともにさらなる検討が必要であると考えられる。
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質的心理学研究 4(印刷中)
International Journal of Early Childhood Education 10(1)
ページ: 29-41
保育とカリキュラム 11,12月号
ページ: 44-48
日本乳幼児教育学会第14回大会発表論文集
ページ: 16-17
日本乳幼児教育学会第14回大会研究発表論文集
ページ: 102-103
ページ: 104-105