研究課題/領域番号 |
16403001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐々木 真人 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (40242094)
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研究分担者 |
渡邊 靖志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40126199)
杉山 直 国立天文台, 理論研究部, 教授 (70222057)
久世 宏明 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (00169997)
小川 了 東邦大学, 理学部, 助教授 (10256761)
林野 友紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10167596)
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キーワード | 突発的天体 / カンマ線バースト / 光学閃光 / 広角高精度望遠鏡 / Ashra / ハレアカラ / HETE / SWIFT |
研究概要 |
(0)目的 Ashraの広角高解像度望遠鏡の仕様である50℃という広角特性、1分角の高解像度、大集光口径による高感度は、同時にガンマ線バースト(GRB)天体からの可視光フラッシュ現象などの興味深い突発的天体現象の自立的な発見を行う望遠鏡システムとしても、類例のない優れた性能を有する。本研究ではAshra計画における光学試験観測を利用して、素粒子望遠鏡としての光学性能を確認すると共に突発的天体現象の発見的光学観測を行うことを目的としている。 (1)光学系の組立て・試験・調整 要素開発を完了し、平成16年度から量産化と現地での組み立て、調整技術の確立、調整に必要な冶具や較正装置の開発を行った。三鷹の国立天文台機器開発センターにてファーストライトを行い、調整後2〜3分角度の到達分解能を確認した。 (2)データ取得系の組立て・調整、解析ツールの準備 CMOSセンサーカメラおよびイメージインテンシファイアとの結合組立て、光学調整と較正。更にカメラからのデジタルデータをPCにて取得、解析、圧縮後、格納するデータ取得制御プログラムを作成した。実際にHETE-2やSWIFTなどのガンマ線監視衛星からのアラートを受ければクロス観測できるハードウエアとソフトウエアの準備が整った。 (3)搬出・設置・立上げ 夏、ハワイ州マウイ島ハレアカラ山頂に搬出し、現地での格納庫と通信機器の設置した。望遠鏡や観光の温度・湿度・気圧・雨量などがモニターできるようにし、さらに、サンフォトメーターやネフェロメータにて大気の積分透過度や散乱係数を連続測定し、Webにて遠隔監視できるようにした。また、Ashra試作器のみならず、市販の追尾型天体望遠鏡MEADE-LX200によって、Ashraで光学閃光監視と平行してGRBのフォローアップを行い、GRB周辺に対応天体の有無とその詳細を調査できるように準備を完了した。 (4)現地バックグランド・感度測定 光学閃光発見の感度を決める現地での夜光バックグランドをUV、B、V、Rの4波長領域において測定し、人工光の影響が少なく、星光が夜光を支配することを確認した。 (5)位置較正、感度較正、大気モニター ハレアカラ山頂にてPhotonics Industries Laser DC30-351(351nm,300mW,1-3kHz,400W)を用いてレーザー走査と予備的なその飛跡のアシュラ光学系を用いた撮像を行った。この点は次年度に引継ぎ完成させる。 (6)観測・運用 観測・運用計画に基づきシフト体制を整えて観測を続行した。9月から述べ約450時間の観測を行い、約40万枚の天頂全額50度の視野で4秒露光5秒間隔にて撮像した。ガンマ線バーストGRB041211のHETEとの同時クロス観測に成功した。光学閃光を捕らえるに十分な感度にてGRBの爆発の瞬間をセンサー視野内に捉えたのは初めてと言える。結果として、GRB031211から11.5等級(Bバンド)より明るい光学閃光は無かったことが示された(GCN report(2846))。
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