2005 年度実績報告書

電子陽電子衝突型加速器における円形ビーム衝突に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号	16403004
研究機関	大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
研究代表者	黒川眞一大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (90044776)
研究分担者	福間均大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (40150007) 吉岡正和大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 大強度陽子加速器計画推進部, 教授 (50107463) 赤井和憲大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (10184061) 船越義裕大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (80181436) 大見和史大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (10194292)
キーワード	電子陽電子衝突型線形加速器 / 円形ビーム衝突 / ブドカー原子核研究所 / ビーム・ビーム相互作用 / VEPP-2000 / KEKB加速器
研究概要	VEPP-2000は、平成17年度中に総合運転を開始知る予定であったが、ロシアにおける、過酷な経済事情のため、多くの困難に遭遇し、建設が遅延している。特に、衝突点において、ビームを円形にするために設置される、高磁場ソレノイドの製作にてこずったことが遅れの大きな要因であった。平成17年度中の、BINP側の懸命の努力により、ソレノイドの製作に成功し、ようやく、平成18年度から、総合運転を開始する準備が整ったところである。以上の事情から、平成17年度においては、平成18年度から始まる総合調整運転開始当初から、日本の研究者が本格的に参加できるための条件を整える作業を行った。具体的には、BINPの研究者を高エネルギー加速器研究機構に招聘し、高エネルギー加速器研究機構の研究者と議論を進めることにより、VEPP-2000の基本的な性質についての精査、総合調整運転の方式の策定、および、総合運転終了後に行われる円形ビーム衝突実験についての具体的な実験計画の策定を行った。また、高エネルギー加速器研究機構とBINPの研究者が共同で、円形ビーム衝突において特に問題となる、ビーム・ビーム相互作用について、詳細な研究を行っているところである。この研究は、現在継続中であり、平成18年度には、成果が発表できる予定である。この他、BINPの研究者が出席する、国際会議に、高エネルギー加速器研究機構の研究者を派遣し、緊密な情報交換を行ってきた。