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2005 年度 実績報告書

氷河コア解析による北太平洋の気候・大気輸送物質変動の復元

研究課題

研究課題/領域番号 16403005
研究機関総合地球環境学研究所

研究代表者

白岩 孝行  総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (90235739)

研究分担者 中塚 武  北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (60242880)
立花 義裕  東海大学, 総合教育センター, 助教授 (10276785)
山縣 耕太郎  上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (80239855)
的場 澄人  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (30391163)
キーワード雪氷コア / 北太平洋 / 気候変動 / PDO / 鉄仮説 / アラスカ / ランゲル山 / ウシュコフスキー山
研究概要

ランゲル山のコアについて、表層から深度100mまでの解析・分析を実施した。内容は、水素同位体比(0-50m)、主要イオン(0-50m)、ダスト濃度(0-80m)、X線精密密度(0-100m)、トリチウム(0-50m)である。微量金属濃度については、ローガン山のコアについて測定した。
以下、上記の解析・分析から明らかになったことを箇条書きでまとめる;
1.ランゲル山コアの0-50mの深度では、水素同位体比、ダスト濃度、トリチウム濃度に明瞭な季節変動が見出された。濃度のピークは水素同位体比が夏、ダスト濃度とトリチウムが春と判断された。
2.ランゲル山のX線精密密度の深度方向への偏差値は、水素同位体比の変動と良く一致し、水素同位体比の重いピークに偏差の小さいピークが重なる。このことは、春から夏にかけて生じる間欠的な降雪が密度変動を大きくしていると考えられ、密度のような物理シグナルでも季節変動を記録していることが明らかとなった。
3.ランゲル山コアのダスト濃度は春に高く、その他の季節に低い季節変動を示す。ダストフラックスは2000年以降増加傾向にあり、これは日本で観測された黄砂現象の増加傾向と一致する。
4.ランゲル山コアのトリチウム濃度は明瞭な季節変動を示し、濃度のピークが晩春に現れる。この変動は対流圏と成層圏の物質交換に起因すると考えられ、春の低気圧性擾乱の指標になる可能性が見出された。
5.ランゲル山のNaの年フラックスは冬のPDOインデックスと良い相関があり、長周期気候振動の指標となることが示された。
6.微量金属分析はローガンコアの1980-2000年にかけて実施された。年間の鉄フラックスは数mg/平方mから80mg/平方m程度で変動しており、その原因として黄砂と火山噴出物があることが示された。
7.ローガン山と北部北太平洋の西側に位置するウシュコフスキー山の両方で得られコアの涵養速度を比較したところ、逆相関の関係が認められ、これがPDOと連動していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Distribution of permafrost on the west slope of Mt.Ichinsky, Kamchatka, Russia2006

    • 著者名/発表者名
      Sone, T.
    • 雑誌名

      Bulletin of Glaciological Research 23

      ページ: 69-75

  • [雑誌論文] SPMを利用した黄砂検出の新たな試み2005

    • 著者名/発表者名
      的場澄人
    • 雑誌名

      エアロゾル研究 20・3

      ページ: 225-230

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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