研究分担者 |
榎本 浩之 北見工業大学, 工学部, 教授 (00213562)
亀田 貴雄 北見工業大学, 工学部, 准教授 (00233974)
白澤 邦男 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (50196622)
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (90235739)
杉浦 幸之助 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (80344307)
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研究概要 |
1.スンタル・ハイアタ山脈と国際極年:1957/58年の国際地球観測年IGY当時,ロシアは東シベリア,スンタル・ハイアタ山脈地域で気象観測および氷河分布観測を精力的に行ったが,その後観測は行われていなかった.その50年後,第4回国際極年IPY(2007/08年)の再調査データとして,我々はロシア科学アカデミー・地理研究所と協力してこの地域の雪氷学的調査を行った. 2.2004-2005年観測:2004年オイミヤコン村(標高680m)からトムトル間の30km区間に気温計・降水計気象観測装置を設置し,スンタル・ハイアタ山脈No.31氷河末端付近(標高2050m)にも気象観測装置を設置した.その結果,氷河では最低気温-45℃前後,平野部のオイミヤコンでは最低気温約-60℃を記録し、冬期間に大規模な気温逆転が起きていることを観測した. 3.2006-2007年観測:2006年9月〜2007年9月にかけて,マガダン〜オイミヤコンのコリマ街道沿いに気温計・降水計気象観測装置を設置・回収を行った(図2).海辺のマガダン域は最低気温が-20℃台であるのに対し,内陸部では-50℃台となり,オイミヤコン地区は-60℃近い値を示し,インディギルガ川およびコリマ川の上流部では冬の間,強い気温逆転層が長く形成されていることがわかった. 4.氷河の後退:氷河の末端モレイン長が氷河後退量を表すことから,スンタル・ハイアタ山脈の主な氷河の後退量を推定した.この地域最大のNo.147氷河では1,800年代と考えられている小氷河期からは1973年当時まで約1000m後退し,IGY時期から1973年当時までの約25年間には約200m後退していることがわかった.
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