研究概要 |
調査研究実施国は,ケニアに限定し,現地研究調査拠点大学としては,ジョモケニアッタ農工大学(Oyawa教授,Too講師)に協力を仰ぎ,下記の主な課題について調査行った. ポゾラン分布の把握と固化ブロックへの適用,「規格化」に関する研究については,平成16-17年度の調査および既存資料によるポゾラン分布の整理に基づき,現地サンプリングに対する成分分析から,十分反応性?高いポゾランが分布することが明らかになったが,ポゾランを含有するセメント材料,および土と混合して固化したブロック(SSB)を低層建築物建設のための建設材料として適用するため,ローカル規格の現状と推移を調査した.ブラックコットンソイル,レッドコーヒーソイル,マラムなどを用いた固化土ブロックの基本強度を調査した所,7%程度のセメント含有量で,現行の基準をクリアでぎること,ポゾラン含有量が多い場合,初期強度は低いものの,長期強度が向上する傾向があるなどの成果が明らかになった. また,土のうによる舗装道路の敷設と耐久性に関する研究に関しては,現地における農道状況の把握と,地盤特性,使用材料の選定に関して,検討を行った.東アフリカではブラックコットンソイル,と呼ばれる膨張性粘土が広く分布し,農村部の畑と主要道路を結ぶ農道では,雨季に部分的に車両の通行が不能となる.収穫物を市場へ運べない,バイヤーが買い付けに村へ来ることができないために農民は現金収入を得ることができず,農村部の貧困の原因の1つとなっている.農道を雨季においても通行性が確保されるように整備するために,日々利用する現地住民自身が自分達で維持管理ができる,人力による,現地材料を活用し材料費を安価に抑えた,土のうによる路盤作りを検討し,強度と耐久性,維持管理の観点から評価を行った結果,非常に有効という結論を得た.
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