研究分担者 |
小長井 一男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50126471)
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
澤田 純男 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70187293)
張 至鎬 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (70367051)
濱田 政則 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30164916)
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研究概要 |
本研究では,エジプト側研究協力者が主体となり,ナイルデルタを取り巻く地震活動資料の収集を行い,過去に発生しカイロ市に被害を及ぼした地震の断層破壊過程を明確にするとともに,将来発生する地震のシナリオを作成する.日本側研究分担者はエジプト側研究者の協力の下にカイロ市を取り巻く地域の詳細な地盤調査を行う.さらに,得られた調査結果からカイロを含むナイルデルタ地帯の地盤構造をモデル化するとともに,エジプト側の研究協力者と共同して,ナイルデルタ地帯の地震危険度マップを作成する.こうした目的を達成するために本年度は以下のような研究成果を得た. 平成17年9月にエジプト側研究協力者のAwad Hassoup助教授を招聘し,エジプトで観測された小地震の特性を抽出するとともに,経験的グリーン関数法を用いた強震動シミュレーション法に関する研究を推進した.また,18年2-3月にはElsayed Fergany氏を招聘し,常時微動の計測技術を修得してもらうとともに,ナイルデルタ地帯での常時微動の計測計画を立案した. カイロを含む広範囲の地質資料を収集し,その資料に基づいて,エジプト国立天文・地球物理学研究所が地質分類巣のデータベースを作成した.1900年から2005年までの地震活動(震央の位置とマグニチュード)のデータベースを構築した.さらに,最近発生した地震の震源特性もデータベース化した重力異常と磁気探査結果のデータを数値化し,エジプト国立天文・地球物理学研究所のデータベースとして,研究者の利用が可能になった カイロ市内の重要構造物の耐震性能を評価するために必要となる設計用の地震動の模擬法を開発した.これは多数の微小地震動記録を統計処理することにより,グリーン関数を作成するものであり,地震活動度の低い地域で有用な方法である.
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