研究分担者 |
太田 秀樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80026187)
日下部 治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40092548)
桑野 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30178149)
渡部 要一 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤構造部, 土質研究室長
田中 正典 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤構造部, 主任研究員
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研究概要 |
メコンデルタ地帯の土質情報については,超軟弱から固い粘土まで,さらには,有機土の有無に関係なく,従来の研究結果と同様なe〜log pが報告されていることがある.この原因として,サンプリング法またはその後の室内試験方法が適切に行われていないことが挙げられる.そこでベトナムの首都ホーチミン市から南西へ車で1時間ほどのTan an市にて,ベトナム式(シェルビー式サンプラー)と日本式(固定シンウォール式サンプラー)にてサンプリングを行った.その後,日本に持ち帰り,港湾空港技術研究所にて室内試験を行い,サンプリング形式の違いが粘土の物性および強度・変形特性に与える影響を調べた.実施した試験は一軸試験,標準圧密試験,定ひずみ速度圧密試験である.また,一軸試験では,供試体作成後にサクションを測定している. その結果,Tan An粘土は非常に軟弱(IP=70-90),高塑性・高圧縮粘土であったシェルビー式サンプラーと固定ピストン式では,3〜5m程度の浅い試料においてはあまり差が見られなかった.しかし,5〜7mの深い位置で採取した試料においては,サンプラー間に差が見られた.全体的にシェルビー式の方が強度・圧密特性の様々な値でばらつきが大きく,固定式と比較して乱れが大きい結果となった.しかし,シェルビー式を用いた場合でも,固定式と同程度の品質を得られる場合もあり,シェルビー式を使用して品質安定性の向上のためには,施工監理を含めてさらなる検討が必要である.
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