研究課題/領域番号 |
16404011
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹村 次朗 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40179669)
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研究分担者 |
太田 秀樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80026187)
日下部 治 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (40092548)
井澤 淳 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (70345388)
渡部 要一 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤構造部, 土質研究室長 (00371758)
田中 政典 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤構造部, 土質研究室長 (20371768)
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キーワード | デルタ / サンプリング / 室内試験 / 原位置試験 / 軟弱地盤 |
研究概要 |
平成17年度は、ホーチミン市から南西約160kmの位置にあるカントー市、メコン川の本流(Haw River)の河岸沿を調査地とした。この調査地はメコンデルタの中心部に位置し、軟弱層が厚く堆積している。土質は平成16年度の調査地のTan Annの地盤のものとは大きく異なり、比較的低塑性な典型的なデルタ堆積粘土である。この地点において昨年度と同様、ベトナム式(シェルビー式サンプラー)と日本式(固定シンウォール式サンプラー)にてサンプリングを行い、港湾空港技術研究所にて室内試験を行い,サンプリング形式の違いが粘土の物性および強度・変形特性に与える影響を調べた.実施した試験は一軸試験,標準圧密試験,定ひずみ速度圧密試験、K_0圧密非排水せん断試験、定体積一面せん断試験である.また、サンプリングと合わせて三成分コーン貫入試験、ベーン試験等の原位置試験も実施した。 その結果、以下のようなことが明らかとなった。 (1)浅い部分と深い部分で力学特性、乱れの影響等かなり異なり、浅部の軟弱地盤は鋭敏で乱れを受けやすく、良質なサンプリングが必須である。 (2)洪水等の影響により深さ方向の土質性状が局所的に変化し、薄い砂層や非常に低塑性な土の層が混在し、そのため乱れの影響の受けやすさも局所的であり、サンプリング間隔が大きすぎると誤った地盤特性評価につながる可能性もある。従って、地盤調査においては原位置試験とサンプリングを組み合わせて慎重な検討が必要となる。 (3)ベーン強度を使うと浅部のコーン係数N_<kt>が10程度で、深部は14弱となるのに対して、一軸強度を使うと傾向がその逆となった。この原因としては浅い部分のサンプリング試料の品質の問題が考えられるが、この他に低塑性な土におけるベーン強度に及ぼす排水の影響等もその一因に挙げられる。
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