研究分担者 |
陣内 秀信 法政大学, 工学部, 教授 (40134481)
高村 雅彦 法政大学, 工学部, 助教授 (80343614)
森田 喬 法政大学, 工学部, 教授 (60267325)
古川 修文 法政大学, 工学部, 教授 (10120833)
朴 賛弼 法政大学, 工学部, 助手 (20350217)
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研究概要 |
2004年度は伝統的な住居の特性について,蒸暑気候の東南アジア・タイの高床住居を広範な調査を行ったので,2005年度は,気候風土の見地から乾燥して気温較差の大きい地域として中近東を調査対象範囲に選定し,中近東の住居を中心として次の調査を実施した。 1)イランの採風塔のある伝統的住居 昨年度,中近東の乾燥地域の住居形態として,イランの伝統的民家を視察し,簡易な環境測定を行った。今年度はそれを基に,採風塔の形式として「単一風向型」と「多風向(4風向)型」の2つの採風塔を持つ住居を調査対象とした。単一風向型としてイラン・ヤズド州アルデカンにある比較的小住宅を対象に,また,多風向(4風向)型採風塔はヤズドの大規模な住居を対象にして,それぞれ温熱環境および風環境の実測を実施した。これにより上空の風向によって異なる空気の流れを定性的にとらえ,換気量の試算を行った。 2)チュニジアの地下住居 中東の乾燥地域の特徴に温度の日較差の大きいことがあげられ,その対処の方法として,チュニジアのマトマタ地方では地下住居が多数見られる。現在でも電化されずに昔ながらの方法で生活している地下住居について,温熱と風環境の計測を行い,苛酷な高温と高日射量の気象下で,地下の居住が土壌の恒温性により緩和されることを捉え,土壌の熱特性も測定した。 3)モンゴルのゲル 移動建築として広く知られているモンゴルの遊牧民が暮らすゲルの温熱・風環境の計測を行い,テントの断熱性は比較的良く,暖房効率も良いことなどを明らかにした。これらの成果は,学会および本学研究報告に発表した。
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