研究分担者 |
陣内 秀信 法政大学, 工学部, 教授 (40134481)
高村 雅彦 法政大学, 工学部, 助教授 (80343614)
森田 喬 法政大学, 工学部, 教授 (60267325)
安藤 直見 法政大学, 工学部, 教授 (10297997)
古川 修文 法政大学, 工学部, 教授 (10120833)
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研究概要 |
2006度は,中東の夏期乾燥地域の気候に対処する有効な地下住居としてトルコ・カッパドキア地域の岩窟住居,および,海浜地域の住居について,既に歴史的調査が先行していた南イタリアの島型の港町について,温熱・風環境の実測調査を実行した。 1)トルコ・カッパドキアの地下住居の温熱・空気環境 古くから存在する円すい型(キノコ型)の奇岩に穴を掘った「岩窟」型住居について,温熱・空気環境の調査から,外気が最高約36℃に達する状況において,岩窟住居内では,ドアを開放した場合でも室内では23℃程度,より奥の作業部屋では約19℃と涼しい。さらに,ドアを閉めた条件では,台所・居間では18℃〜20℃前後と涼しく,奥の作業部屋では約16℃で安定し,むしろ寒いくらいで,土壌の恒温性の効果が見られた。岩窟・現代併用住居では,3つの構法の部屋による温熱環境が見られる。すなわち,外温度が33℃〜35℃でも,玄関ホールは岩窟型で21℃〜23℃,寝室は石ブロックの組積造の現代型で29〜31℃で,SET^*による温熱感は"やや暑い"という領域,居間はその中間の構法で25℃〜26℃で温熱感は"やや暑い"〜"快適"の領域である。この居間は,玄関ホールからの冷気が床下をゆっくり流れ,室温による暑さは感じるが,気流による涼感が得られた。 2)南イタリアの港町ガリッポリの温熱・風環境 南イタリアの海辺の都市ガッリーポリにおいて,3か所の住居の温熱・風環境調査と,街全体の屋外温熱環境の実測調査を行った。海風が吹くことにより市街地内で気温が最大3.9℃低下し、絶対湿度が最大2.30g/kg上昇することが確認された。また,ガッリーポリでは一日を通して海から風が吹いており市街地の温熱環境を改善していることが分かった。 3)3年間のまとめ 平成16年度〜平成18年度のまとめとして,報告書の作成を行った。
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